老後の一人暮らしで幸福を感じるには、どれぐらい収入があれば良いか
一人暮らしの幸福に必要な月収
一人暮らしの高齢者になったときに、どれぐらいの収入があれば、幸せに暮らせるのでしょう?
探していたら「一人暮らし高齢者に関する意識調査」に、生活の幸福度と収入を聞いたデータがあったのでグラフ化してみました。
元のデータは、全国の2,424人の一人暮らしの高齢者に調査員が直接面談して聞き取りをした、信頼性の高いものです。
集計の生データも公開されているので、何かの仮説を検証するときには便利な調査です。
毎月の収入は「10~15万円」が多い
まず、毎月どれぐらいの月収があるのか確認しましょう。
調査によれば、月収は「10~15万円」が29.6%で一番多く、「5~10万円」の23.7%が続いており、「15~20万円」が20.1%となっています。
つまり、70%以上の人は、毎月5~20万円の範囲の収入があります。
月収が増えると、幸福度も上がる。しかし...。
この調査では、幸福感を10段階の点数で答えてもらっています。
「とても幸せ」が10点、「とても不幸」が0点です。
これを月収別にグラフにしてみました。
グラフの縦の軸は、一番下が「10点」で上に行くほど、点数が低くなります。
たとえば、一番左の「3~5万円」の場合、「とても幸せ」の10点を付けた人が10.7%いることがわかります。
黄色の線で囲んだ部分は、6点以上の点をつけている人です。こちらは、「確実に幸福を感じている」方々です。こちらの基準でも、50%の人は該当します。
つまり、収入が5万円以下であっても、半数以上の人は幸福です。
赤で囲んだ部分は5点以上の点を付けている人です。「人並みに幸福を感じている」方々と言えるでしょう。
つまり、人並みと思っている人も入れれば80%近い人が幸福と感じています。
月収が「15~20万円」になると、90%以上の人が5点以上の点を付けています。
そこから後は、収入が増えていっても、高い点数を付ける人はあまり増えていきません。「15~20万円」が、幸福感を感じる1つの目安となります。
また、月収が「30万円以上」になっても、5.2%の人は「4点以下」の点を付けており、自分を不幸だと思っています。
幸福感は月収だけでは決まらない
高齢者の一人暮らしにおいて、月収と幸福感の関係は、次のようにまとめられます。
- 月収が増えれば、幸福であると感じる割合は増えていく。その場合、「15万円」が1つの目安となる
- 幸福感は月収だけでは決まらない。月収が「3~5万円」であっても、半数の人は幸福と感じている。逆に「30万円以上」であっても5%の人は不幸と感じている
幸福感は月収だけでは決まりませんが、ある程度までは月収が増えれば幸福感が上がることもわかりました。
一つの目安となる、月収15万円を目指して、年金や預金などで備えましょう。