保険の見直しを考えているなら、50歳を前に決断をしよう

[2016/3/30 00:00]

保険の見直しを考える理由

「生命保険の見直しをしようと思う」とおっしゃる方に理由を聞くと、「保険料が高額で負担が大きいから」という答えが多いようです。

保険料が高額と感じる理由はいくつかありますが、40代から50代にかけての人に多いのが、「特約の更新によって、50歳などのタイミングで保険料が高くなった」というものです。

この記事では、どうして更新で保険料が高くなったかという理由を考え、それに対する対策を紹介しましょう。

更新で保険料が高くなる理由

いま、40代から50代の人が入っている生命保険の多くは、「定期保険特約付き終身保険」と呼ばれるものです。

これは、一生涯続く「終身保険」をベースにして、その上に「定期保険特約」を重ねた形になっています。

図にすると、下のようになります。

「定期保険特約付き終身保険」の構造。2階建てになっている

多くの場合、50歳になると、上に重なっている「定期保険特約」の期限が切れるので、更新が必要になります。

しかし、同じ「高額な保険料が出る特約」を結ぶ場合でも、最初に契約した若い時と、50歳からの10年間では保険料が違います。

例えば、それまで1万8千円だった毎月の保険料が3万5千円になったという例もあります。

図にすると、下のようになります。

「定期保険特約付き終身保険」では、更新時に特約部分の保険料が高くなる

年齢が高くなればなるほど、死亡などのリスクが高くなるので、それに応じて保険料が上がるのです。

生命保険は、リスクが上がれば保険料が高くなる性質のものなのです。

50歳以降は、死亡する人が増える年齢なので、それに応じて保険料が高くなってしまうのです。

年齢別に見た10万人当りの生存率。男女とも50歳ぐらいから、死亡する人が増えてくる 出典:厚労省

しかし、月に何万円もの保険料を支払い続けることは簡単ではありません。

契約更新をきっかけにして、ご自分の生命保険を見直ししましょう。

50歳前後であれば、まだ新しい生命保険に入り直して、定年を迎える前に払込を終えることもできます。

50歳直前は、生命保険の見直しの適齢期なのです。

家庭の状況を改めて考えてみる

契約を更新して、高額な保険料を支払い続けるか、生命保険を解約して別の保険に入るかの判断に迷ったときには、ご自分の家族の状況から考えます。

もともと、死亡した場合に高額の保険金が支払われる契約を結んでいるからには、その目的があります。

多くの場合、その目的は、万が一、あなたが若くして死亡したときに、その家族の生活を守り、子供の教育費用などをまかなうことだったのではないでしょうか。

で、あれば、50歳を前にして、子供たちの教育期間が終わりかけていて、ここであなたが死亡しても高額の保険金がなくても大丈夫になっていれば、生命保険を解約したり、契約を縮小するなどの選択ができます。

また、子供がいない場合でも、生命保険を契約した際には借家住まいだったのが、住宅ローンを利用して持ち家を購入した場合には、同じように解約などの選択肢が出てきます。

ほとんどの住宅ローンには、団体信用生命保険(団信)という生命保険が付属していて、あなたが死亡した場合には住宅ローンを完済してくれるからです。

適量のお金で必要なだけの安心感を

生命保険は、お金を払うことによって安心感を買うものです。

ただ、年齢や生活条件が変わっているのであれば、必要とされる安心感も変わってきます。

死亡や病気などのリスクに備えることは必要ですが、安心感を購入するための資金にも限界があります。

50歳を前にした保険の更新は、自分の生活を改めて見直すきっかけと考えて、自分が必要とする、ちょうど良い安心感を手に入れましょう。

[シニアガイド編集部]