定年退職後の地方移住のために、将来の借り上げを保証する住宅ローン

[2016/4/2 02:40]

地方移住のネックは、いま住んでいる自宅のローン

第二の人生を、地方へ移住して過ごそうと考えた際に障害となるのが、現在住んでいる家の住宅ローンです。

すでに首都圏で自宅を購入して、住宅ローンを抱えている場合に、移住先で住宅を取得しようとすると、住宅ローンを2つ抱えることになってしまいます。

本格的に移住する場合は、首都圏に残した住宅のローン問題を解決する必要があります。

茨城県水戸市に本社がある常陽銀行は、この問題を解決する住宅ローンとして「いばらき発残価保証型居住プラン『ゆとりライフ』」の受付を4月1日から開始しました。

「ゆとりライフ」の専用相談窓口も、東京都上野の常陽銀行上野支店内に4月1日に設置されました。

今回は、この「ゆとりライフ」について、紹介しましょう。

定年をめどに、住宅を賃貸に出せるシステム

「ゆとりライフ」の特徴は2つあります。

  • 一般の住宅ローンと異なり、2つの住宅ローンをまとめた形になっている
  • 移住・住みかえ支援機構(JTI)と提携したことで、将来的に家の借り上げと家賃収入を保証してもらえる
定年までに払い終わるローンと、それ以後も払うローンの2本をまとめた形になっている

2本あるローンのうち、1本は60歳までに返済するローン、もう1本はそれ以降も返済するローンです。

例えば、現在45歳で、都内に在住していて、住宅ローンの返済を行なっている場合に、「ゆとりライフ」に借り換えをしたとします。

60歳までは、東京で働きつづけて、1本目のローンと2本目のローンを両方とも返済し続けます。

60歳になると、1本目のローンが終了するので、JTIに自宅を借り上げてもらい、賃貸に出します。そして、賃貸によって得られる家賃収入を2本目のローンの返済に充てます。

これで、60歳で退職した時点で移住するとしても、東京に残した家の住宅ローンの支払いをする必要はなくなります。

つまり、退職金と年金を移住資金として使うことができます。

また、70歳でローンが完済されれば、それ以後に入る家賃収入は移住先での生活費となります。

さらに、ローン終了後には、借り上げを解除してもらって、自宅を子供世代に相続することもできます。

「ゆとりライフ」を使った、住宅ローン借り換えと、新規契約の例

茨城県への移住促進を図る連携の一部

常陽銀行の本社がある茨城県は、都会からの移住に力を入れており、県外に住む人向けの「いばらきふるさと県民登録制度」を開始しました。

これは「いばらきふるさと県民パスポート」を発行して、特典や情報を提供することで、茨城県への関心を持ってもらい、将来の移住へつなげるという試みです。「ゆとりライフ」も、その特典の1つとして用意されています。

ゆとりライフを契約することで、茨城県への移住を約束しなければならないということではありませんが、茨城県と常陽銀行、JTIの3者は茨城県への移住者を増やすことで連携しており、「ゆとりライフ」もその一環なのです。

[シニアガイド編集部]