他の年代とは大きく異なる、「60代」の音楽傾向

[2016/4/12 00:01]

年代別に音楽の楽しみ方を聞く調査

一般社団法人 日本レコード協会が「2015年度 音楽メディアユーザー実態調査」を公開しました。

この調査では、年代別に音楽への接し方を調査しています。

調査報告書をもとに、60代のシニア層の音楽の楽しみ方を見てみましょう。

なお、調査はインターネット上で行なわれており、調査数は2,014名です。

図版類の出典は、すべて調査報告書によります。

60代の約半数は音楽に関心がない

音楽との関わり方。60代の半数近くは音楽に無関心

年代別に音楽との関わり方を聞くと、この半年間に音楽にお金を使ったことがある「有料聴取層」は、年代が進むに連れて減っていきます。

逆に、この半年で音楽にお金を使っておらず、自分から音楽を聞こうとしない「無関心層」は、年代が進むにつれて増えていきます。

特に60代では「無関心層」が46.9%と多く、ほぼ半数の人が音楽に関心がないことがわかります。

60代が聞くのは「クラシック」「ジャズ」「演歌・歌謡曲」

「よく聞く音楽ジャンル」。60代は他の年代と大きく異なる

また、無関心層以外の人に、よく聞く音楽ジャンルを聞くと、60代は他の年代と大きく異なる傾向にあることがわかりました。

他の年代に多い「日本のポップス」「海外のポップス」「アニメ・ボカロ曲」「アイドルミュージック」が、極端に少なくなっています。

一方で、「クラシック」「ジャズ」「演歌・歌謡曲」は、他の年代よりずっと多くなっています。

比較的年齢が近い「50代」と比べても、60代の音楽の傾向は大きく異なります。

新しい技術には関心が薄い

新しい音楽の楽しみ方として登場した「ハイレゾ配信」「サブスク(オンデマンド型)」「サブスク(ラジオ型)」などの技術について、それを知っているか、また使ってみたいと思うかも聞いています。

なお、「サブスク」はインターネットを利用した会員制音楽配信サービスの総称です。「オンデマンド型」は曲を自由に選択できるサービス、「ラジオ型」は曲の選択はできないが配信する曲目が多いサービスです。

60代の40%前後は、これらの技術について知っていますが、利用する意向を示している人は数%と少なく、関心の低さが表れています。

今回の「音楽メディアユーザー実態調査」でも、10代から60代までの全年代を対象にした「主な音楽の聴取手段」の設問では、「YouTube」が1位になるなど、音楽の楽しみ方は大きく変わっています。

しかし、60代については、新しい技術への関心が低いため、そちらに誘導するよりは、なじみのあるCDなどの手段で、クラシックやジャズなどのジャンルを掘り起こす商品やサービスを用意した方が、購入意欲をそそる可能性が高そうです。

「ハイレゾ配信の認知度と利用意向」。サブスクについても、ほぼ同様の傾向
[シニアガイド編集部]