定年を迎えた夫婦二人暮らしのトラブルを防ぐ“シングルミックス”というライフスタイル

[2016/5/23 00:00]

定年後に家庭に帰ってきた夫とのトラブル

定年を迎えた夫婦が、お互いの距離のとり方で悩むという話を、よく見聞きます。

例えば、次のような症状です。

  • 夫がまったく料理ができず昼食の準備を要求するので、妻が外出できなくなる
  • 夫が会社づとめの気分が抜けず、妻を部下のように扱う
  • 夫が家事のやり方を自分流に変えさせようとして、妻と深刻な不和を招く
  • 家庭の中に夫の居場所がなく、ふさぎこんでしまう
  • 夫が家事を手伝おうとしても役に立たず、自分に自信を失くしてしまう

つまり、定年前は夫が会社に出勤しているため、夫婦の間に適度の距離があったのが、定年後にずっと家庭にこもってしまい、外出する機会も減って、妻にくっついてまわり、さまざまなトラブルの原因となるのです。

「シングルミックス」という考え方

こういう定年後の夫婦の2人ぐらしに対して、積水化学工業の研究機関である住環境研究所が「シングルミックス」というライフスタイルを提案しています。

シングルミックスは、夫婦がそれぞれ自立しつつ、互いの個を尊重しあう「シングル(自立)」の暮らしと、夫婦が適度な距離感でコミュニケーションする「ミックス(共生)」の生活を共存させる老後の夫婦2人の住まい方です

住環境研究所では、シングルミックスの専用Webサイトを作り、次のようなコンテンツを用意しています。

  • 定年後の夫婦トラブル実例集
  • 「シングルミックス」度Check
  • 「シングルミックスライフ」に向けての10ヶ条
  • 「シングルミックス」な空間の整え方

「シングルミックスライフ」に向けての10ヶ条では、男性編と女性編が用意されています。

男女で多少の差はありますが、次のような内容が奨励されています。

  • 毎朝きちんと挨拶する
  • 何かしてもらったらお礼を言う
  • ちゃんと着替えをして、身だしなみに気を使う
  • お互いに干渉しない
  • 自分でできる趣味を見つける、など

いずれも、簡単なようでありながら、いざ実行するとなると難しいことばかりですが、定年後の夫婦二人暮らしのトラブルを避けるためも、ぜひ参考にしてください。

[シニアガイド編集部]