都内の高齢者の3人に1人は収入のある仕事をしている
東京都内の高齢者への面接調査
東京都が5年置きに行なっている「高齢者の生活実態」という調査の速報が出ています。
この調査は、東京都内に在住の高齢者の実態を調べるもので、都による高齢者対策の基礎となるデータです。
今回は、65歳以上の高齢者4,390人に面接して行なわれています。回答者の平均年齢は74.8歳でした。
いろいろな方面に渡る調査なので、今回は収入と職業に限定して紹介します。
出典のないグラフは、速報のデータを基にして編集部が作成しました。
高齢者の年収
まず、「年収」を見てみましょう。
ここでいう年収は、働いている、働いていないに関わらず集計したもので、年金や仕送りなども含んでいます。
年収は、人による差が大きく、50万円未満から500万円以上まで広く分布しています。
多いのは、100万円台から200万円台ですが、「300万円以上500万円未満」の人も13%います。
黒字基調の世帯の方が多い
家計の状況を見ると、「まったく赤字にならない」が27.6%で、一番多くなっています。
「まったく赤字にならない」と「ほとんど赤字にならない」を合わせた黒字基調の家庭は、52.1%になります。つまり黒字基調の家庭の方が多いことがわかります。
一方、「ほぼ毎月赤字になる」と「ときどき赤字になる」を合わせた赤字基調の家庭は、40.5%でした。
主な収入源は「年金・恩給」
主な収入源は「年金・恩給」が約70%を占めており、老後生活の柱となっていることがわかります。
「仕事による収入」が主な収入源という人が16.3%、「家賃・地代」という恵まれた人も6.9%います。
高齢者の3人に1人は収入のある仕事をしている
現在、収入のある仕事をしている人は、31.2%でした。
都内の高齢者の3人に1人は、なんらかの仕事をして収入を得ていることになります。
仕事が主な収入源でなくても、年金などの補助として働いている人が多いことがわかります。
働いている人は「自営業」が多い
収入のある仕事をしている人に、「仕事の内容」を聞いたところ、「自営業」が32.3%で1番でした。
以下、「契約・派遣・パート」が26.3%、「会社役員」が7.4%、「正社員」が7.1%です。
仕事をしている理由
仕事をしている理由は、「収入を得たいから」が71.6%と一番多くなっています。
やはり、「収入」は働き続けるための強い要因となっています。
次は「健康に良いから」ですが、「収入を得たいから」とはかなり差があります。
70歳ぐらいまで働きたいという人が多い
働き続けている人もリタイアしている人も含めて「何歳ごろまで働き続ける社会が理想ですか」と質問しています。
「70歳」が多く、「75歳」「65歳」「80歳」が続きます。
だいたい70歳頃まで働ければ良いというのが、今の高齢者の気持ちのようです。
しかし、「80歳以上、働けるまで」という、生涯現役を目指す回答も11.3%あります。