都内の高齢者の3人に1人は収入のある仕事をしている

[2016/6/13 00:00]

東京都内の高齢者への面接調査

東京都が5年置きに行なっている「高齢者の生活実態」という調査の速報が出ています。

この調査は、東京都内に在住の高齢者の実態を調べるもので、都による高齢者対策の基礎となるデータです。

今回は、65歳以上の高齢者4,390人に面接して行なわれています。回答者の平均年齢は74.8歳でした。

いろいろな方面に渡る調査なので、今回は収入と職業に限定して紹介します。

出典のないグラフは、速報のデータを基にして編集部が作成しました。

高齢者の年収

まず、「年収」を見てみましょう。

ここでいう年収は、働いている、働いていないに関わらず集計したもので、年金や仕送りなども含んでいます。

年収は、人による差が大きく、50万円未満から500万円以上まで広く分布しています。

多いのは、100万円台から200万円台ですが、「300万円以上500万円未満」の人も13%います。

高齢者の年収

黒字基調の世帯の方が多い

家計の状況を見ると、「まったく赤字にならない」が27.6%で、一番多くなっています。

「まったく赤字にならない」と「ほとんど赤字にならない」を合わせた黒字基調の家庭は、52.1%になります。つまり黒字基調の家庭の方が多いことがわかります。

一方、「ほぼ毎月赤字になる」と「ときどき赤字になる」を合わせた赤字基調の家庭は、40.5%でした。

家計の状況

主な収入源は「年金・恩給」

主な収入源は「年金・恩給」が約70%を占めており、老後生活の柱となっていることがわかります。

「仕事による収入」が主な収入源という人が16.3%、「家賃・地代」という恵まれた人も6.9%います。

主な収入源

高齢者の3人に1人は収入のある仕事をしている

現在、収入のある仕事をしている人は、31.2%でした。

都内の高齢者の3人に1人は、なんらかの仕事をして収入を得ていることになります。

仕事が主な収入源でなくても、年金などの補助として働いている人が多いことがわかります。

収入のある仕事の有無

働いている人は「自営業」が多い

収入のある仕事をしている人に、「仕事の内容」を聞いたところ、「自営業」が32.3%で1番でした。

以下、「契約・派遣・パート」が26.3%、「会社役員」が7.4%、「正社員」が7.1%です。

収入のある仕事の種類

仕事をしている理由

仕事をしている理由は、「収入を得たいから」が71.6%と一番多くなっています。

やはり、「収入」は働き続けるための強い要因となっています。

次は「健康に良いから」ですが、「収入を得たいから」とはかなり差があります。

仕事をしている理由 出典:東京都報告書

70歳ぐらいまで働きたいという人が多い

働き続けている人もリタイアしている人も含めて「何歳ごろまで働き続ける社会が理想ですか」と質問しています。

「70歳」が多く、「75歳」「65歳」「80歳」が続きます。

だいたい70歳頃まで働ければ良いというのが、今の高齢者の気持ちのようです。

しかし、「80歳以上、働けるまで」という、生涯現役を目指す回答も11.3%あります。

何歳ごろまで働ける社会が理想か
[シニアガイド編集部]