2025年には583万人の人手が不足! 60代後半でも働くシニアが必要に。
10年度の労働市場を考える
現在、50代以上の人は、10年後の2025年に、自分が働く場所があるのかどうかが大きな関心事でしょう。
研究機関の「インテリジェンス HITO総合研究所」が、2025年の労働市場について、面白い推計をしています。
この調査では、経済成長予測から算出した需要としての就業者数と、将来人口推計を元にした供給としての就業者数を比較して、そのギャップを算出しているのが特徴です。
つまり、“どれぐらい人手不足が発生するのか”をわかりやすく計算しています。
計算の条件としては、約10年後の2025年に向けて、2015年の経済成長率0.8%を2025年まで維持するために必要な就業者数の推計と、人口減少トレンドに伴う就業者数推計のギャップを見ています。
現状と同じぐらいの経済成長を想定し、その場合の人手不足度合いを産業別に見ています。
2025年に不足するのは583万人
計算の結果、2025年に不足する人手は「583万人」と推計されています。
特に、「情報通信・サービス業」は482万人、「卸売・小売業」は188万人、人手が不足します。
逆に、「政府サービス等」は245万人、「製造業」は19万人、人が余る見込みです。
働くシニアを121万人増やす
人手不足を解消する手段として、4つの方法が提案されています。
一番大きいのが「働く女性を増やす」で313万人、次が「働くシニアを増やす」で121万人です。
これに「日本で働く外国人を増やす」と「生産性を上げる」を組み合わせて、582万人の人手が用意できるとしています。
「働くシニアを増やす」方法は、65~69歳の労働参加を、60~64歳と同等に引き上げることです。
男性の場合、現在67.6%の労働参加率を81.1%に、女性の場合は46.1%を66.6%に引き上げることになります。
これを「60代後半まで働かなければならない」と考えるとつらくなります。「60代後半になっても働ける」と考えましょう。
現在、50代以下の方々は、60代後半になっても働くつもりで、今のうちから心と体の準備をしておきましょう。