65歳以上の人口の割合が世界最高水準の26.7%に上昇

[2016/7/2 00:00]

去年行なわれた国勢調査の速報

去年(2015年)の10月に行なわれた「平成27年 国勢調査」の速報が出ています。

国勢調査は、国の施策を決める上で基本となる重要な調査です。

今回の速報は、統計的手法により抽出した調査票を用いて、主要な項目に関する結果を集計したものです。

前回の速報は人口に関する事項だけでしたが、今回は世帯や労働力率などについても結果が出ています。

これが最終的な結果ではありませんが、全体のイメージが把握しやすくなりました。

テーマ別に分かった事実を箇条書きにしてみましょう。

1920年以来、初めて人口が減った

  • 大正9年(1920年)の国勢調査開始以来、初めて人口が減った
  • 前回の国勢調査に比べ1.1%の減少
  • 調査時点での人口は1億2,711万人
  • 男性は6,182万人、女性は6,528万人で、女性の方が多い
人口の推移。大正9年以来初めて人口が減少した

65歳以上の人口割合が増えた

  • 65歳以上の人口の割合は26.7%。過去最高で世界最高水準
  • 65歳以上の人口の割合が一番高いの「秋田県」、一番低いのは「沖縄県」
  • 全都道府県で、「65歳以上の人口」が「15歳未満の人口」を上回った
諸外国と比べた65歳以上の人口の割合

結婚は遅くなった

  • 結婚した人(有配偶)が、未婚を上回るのは「30~34歳以上」
  • 単身の理由は、男性は「未婚」、女性は「死別」と「離別(離婚)」が多い
  • 70歳以上の女性は死別や離別による単身者が増える
男性の結婚関係の変化。高齢者でも結婚している(有配偶)が多い
女性の結婚関係の変化。60代ぐらいから「死別・離別」が増えてくる

働く女性が増えている

  • 15歳以上で労働している人の比率(労働力率)は59.8%で低下が続いている
  • 男性の労働力率は70.8%に下がり、女性は49.8%に上がった
  • 男性の25歳から59歳までの労働力率は90%以上
  • 女性の25歳から29歳までの労働力率が、初めて80%を越えた
  • 60歳から65歳で働いている男性は80.6%、女性は52.3%
  • 65歳以上で働いている男性は34.1%、女性は16.9%に下がる
男性の労働力率。全体に下がり気味だが、「60歳~64歳」で働いている人が増えている
女性の労働力率。全体に上がっている。特に以前は20代中盤で下がっていたのが、あまり下がらなくなった

単独世帯が一番多い

  • 1世帯の平均人数は2.39人
  • 1世帯あたりの人数が、全国で一番多い山形県で2.87人
  • 単独世帯が一番多く、全体の32%
  • 2人世帯は28%で、単独世帯と合わせると6割を越える

65歳以上の女性は5人に1人が一人暮らし

  • 65歳以上のうち、一人暮らしの単独世帯は562万人
  • 65歳以上の男性の8人に1人は一人暮らし
  • 65歳以上の女性の5人に1人は一人暮らし
  • 老人ホームなどの社会施設の入居者は168万人

持ち家の人は63.6%

  • 家を持っている世帯は3,245万世帯で、全体の63.6%
  • 民間の借家の世帯は全体の28.1%

働く女性と高齢者が増えている

速報では、少子高齢化が一層進み、人口の減少が始まったことがわかります。

また、女性と、60歳から65歳までの高齢者は労働力率が上がっており、働いている人が増えていることがわかります。

1世帯あたりの人数は減り続けており、単独世帯が一番多い形になりました。

[シニアガイド編集部]