離れて暮らす子供たちが、親の熱中症を心配する理由

[2016/7/13 00:00]

親と離れて暮らす男女300人に聞く「熱中症調査」

総合住生活企業のLIXIL(リクシル)は、70歳以上の親と離れて暮らす男女300人を対象にした、熱中症についてのアンケート結果を公開しています。

調査はインターネットで行なわれ、全国の30代と40代の男女150人ずつが参加しています。

親の熱中症を心配している人は約60%

まず、「自分の親の熱中症対策が心配ですか」という質問に、「とても心配」「やや心配」と答えた人が約60%でした。

自分の親の熱中症対策が心配ですか

42%の親は熱中症対策をしていない

「自分の親は熱中症に対して対策をしているか」という質問には、「している」は58%に留まり、「していない」が42%もありました。

自分の親は熱中症に対して対策をしているか

「冷房を使いたがらない」

「自分の親が熱中症対策の、どこが心配か」という質問には、「両親は、夜寝る時にクーラーをつけたくないと思っている」など、両親がエアコンによる冷房を使いたがらないことに対する不安が多く挙げられています。

自分の親が熱中症対策の、どこが心配か

親に勧めたい熱中症対策

「親に勧めたい熱中症対策」としては、「暑い日は無理に外出をしない」が1位でした。

以下、「水を多く飲む」「暑い日は激しい運動をしない」「クーラーの利用を我慢せず、うまく活用する」の順となっています。

親に勧めたい熱中症対策

高齢者の熱中症対策は、水分の摂取と、室内環境の確認

昭和大学病院救命救急センター長の三宅康史氏は、「高齢者は汗をかく能力が低下し汗をかきにくくなっているので、体温が下がりにくくなっています。さらに、高齢になると「基礎代謝が落ちる=燃えにくい体」になっているので、暑さを不快と感じず厚着をしがちで熱中症になりやすいのです」と、高齢者が熱中症になりやすい理由を語っています。

また、高齢者の熱中症対策として、次のポイントを挙げています。

  • 熱中症を予防するためには、水分をこまめに補給することが大切。定期的に水を飲む習慣をつける。
  • 食事の6割は水分なので、1日3回、バランスのよい食事を食べる。
  • 高齢者が暮らす室内環境を改善する。高齢者がふだん過ごしている居間や寝室に、高齢者にも見やすい温度計を設置し、今の温度を数字として認識してもらう。電話で温度計を確認してもらい、冷房を入れるよう促すのも有効。

これから暑い日が続き、熱中症が多いシーズンとなります。

親に対しては、水を飲むことの習慣づけや、室内の環境づくりに注意をうながして、熱中症になりにくいように対策をしてもらいましょう。

[シニアガイド編集部]