「高齢者」「シルバー」「老人」「お年寄り」「シニア」の中では、どれが一番年上と感じるか
[2016/8/9 00:00]
呼び名から想定される年齢の違い
博報堂生活総合研究所の「シルバー調査」は、過去30年に渡って首都圏の60歳~74歳の男女に対して行なわれている貴重な調査です。
いろいろと面白いデータがあるのですが、今回は「シルバー世代に対する意識」という項目を見てみましょう。
調査の質問文は「次のa)~e)それぞれについて、あなたのお考えでは何才位からだと思われますか。( )内に年齢をお書きください。」というものです。
a)~e)には、「高齢者」「シルバー」「老人」「お年寄り」「シニア」が入ります。
ここでは、2016年の調査の平均値を見てみましょう。
- 高齢者 72.16歳
- シルバー 68.94歳
- 老人 75.38歳
- お年寄り 74.86歳
- シニア 65.53歳
若い順に並び替えて見ましょう。
- シニア 65.53歳
- シルバー 68.94歳
- 高齢者 72.16歳
- お年寄り 74.86歳
- 老人 75.38歳
つまり、「シニア」と「シルバー」は60代後半、「高齢者」と「お年寄り」は70代前半、「老人」は70代後半をイメージさせるようです。
時代によって、想定される年齢は変化する
なお、1986年からの調査結果をグラフにしてみると、さらに面白いことがわかります。
- 「お年寄り」と「老人」は、だんだん想定される年齢が高くなっている
- 以前は「老人」の方が「お年寄り」より若く感じていたが、今年の調査で入れ替わった
- 「高齢者」は71歳~72歳で安定している
- 「シニア」は今年の調査で新しく入った言葉だが、従来からある言葉よりも若いと感じている人が多い
一見、同じように見える年齢の高い人を表す言葉でも、このようなニュアンスの違いがあることを覚えておくと、「失礼だ」と反発されることを未然に防ぐことができるかもしれません。