一人暮らしの老後で幸福を感じるためには、何が必要か?

[2016/8/25 00:00]

半数以上の人は、老後の一人暮らしを楽しんでいる

「老後の一人暮らし」というと、孤立死などのイメージがあって、暗く不幸せな生活をイメージしがちです。

しかし、実際には、多くの高齢者が一人暮らしをしており、アンケートの結果などでも、自らの生活を充実したものと考えている方が多くなっています。

では、幸福な一人暮らし生活を送るためには、どのような要素が必要なのでしょうか。

東京都港区が行なった、一人暮らしの高齢者の生活調査を基に、幸福な一人暮らし生活を送るための条件を考えてみましょう。この調査は、調査結果をもとにした分析と追加の調査に手間をかけています。老後生活に興味の有る方には、ぜひご一読をお勧めします。

老後の一人暮らしでも、生活は充実しているという人の方は多い 出典:港区

一人暮らしの高齢者にある5つのタイプ

港区の調査では、一人暮らしの高齢者を分類するために、「生活の満足」「経済状況」「人間関係」「不安・ストレス」「外出・買い物」の5つの要素を使っています。

各要素の中身を、もう少し詳しく見てみましょう。

  • 「生活の満足」は、健康で、生活が充実しており、趣味や頼りにされているという実感など
  • 「経済状況」は、預貯金額や年間収入、将来の生活の安心感など
  • 「人間関係」は、近所付き合いや友人との関係、外出時の会話など
  • 「不安・ストレス」は、生活への不安や、暮らしの中のストレス、取り残され感など
  • 「外出・買い物」は、外出や買い物の頻度

つまり、日常のお金に困っておらず、人とのつながりがあり、買い物のために外出ができる健康状態を維持していれば、ストレスが少ない幸せな生活が送れるということになります。

この5つの要素が欠けることなく、高い水準で揃っていると生活が安定します。

5つの要素が揃っていると生活の満足度が高くなる 出典:港区

生活の支えになるのは経済的余裕

では、いくつかある「幸せになるための要素」のうち、一番重要なのは何でしょう。

それは「経済状況」、具体的には「金銭的余裕」です。

金銭的余裕が無くなると、「不安・ストレス」が増し、「外出・買い物」にも影響します。つまり、お金がないと、幸せになるための、他の要素にも影響してしまうのです。

港区の調査でも、年間収入が「150万円未満」の人は、半数以上の人が生活への満足度が低いという結果が出ています。

老後に定期的な収入を確保することは簡単なことではありませんが、将来に備えて生活資金を貯めるよう心がけましょう。

また、幸せな老後の一人暮らしを送るために、買い物に外出できる健康状態と、周囲の人と会話ができる人間関係の維持も目指しましょう。

[シニアガイド編集部]