50代の約8割が老後への不安を感じている
50代が考えている「老後」
総合マーケティング支援を行なうネオマーケティングが、「ヤングとシニアの老後感に関する調査」の結果を公開しています。
この調査は、年代による老後に対する感じ方の違いを把握することを主な目的としていますが、ここでは50代のデータに絞って見ていきましょう。
調査はインターネット上で行なわれ、全国の50代の男女各250名、合計500名が回答しています。
「自分自身の老後について不安を感じているか」という質問に対し、「非常に不安を感じる」と「やや不安を感じる」を合わせると、79.6%に達しています。
回答者全体の8割が、老後に対して不安を感じています。
老後で一番大事なものは「経済面」
「老後に対して大事なこと」は、次の順位でした。
- 「生活資金、住宅などの経済面」
- 「病気、介護などの健康面」
- 「親、配偶者、子供などの家族関係」
- 「友人、地域などの社会との結びつき」
やはり、老後の準備としては、経済面が重要という認識のようです。
老後に必要な資金は「15~20万円未満」が最多
「老後の資金として、月々いくらぐらい必要か」という質問に対しては、「15~20万円未満」が一番多くなっています。
2位は「20万円~25万円未満」で、2つを合わせると半数を超えます。
しかし、実際に支給されている国民年金の平均月額は5万4千円、厚生年金は14万8千円ですから、毎月20万円以上の生活費を想定すると、公的年金だけで老後資金をまかなうことは難しくなります。
老後資金の柱は「公的年金」と「預貯金」
「老後の資金をどのような方法で準備していますか」という質問で、一番多い回答は「公的年金」でした。
以下、「預貯金」「個人年金保険」「企業年金・退職金」と続きます。
この3つが、公的年金に上積みするための準備として、選択されているようです。
恵まれた生活状況であっても不安感は消えない
回答者に「あなた自身の現在の状況」を聞いています。
回答者の半数以上が「持ち家」「既婚」「医療保険に加入」「子供あり」「年金額はだいたい把握」「公的年金以外の年金(企業年金や個人年金)に加入」と回答しており、恵まれた生活と言って良いでしょう。
このような良好な生活状況でありながら、8割近くの人が「老後に対する不安を感じる」と回答しているのは、年金や介護を始めとする老後を支える制度への不安が根強いものであることの裏付けでしょう。
多くの人が老後生活の柱と考えている「公的年金」への不安が解消されないかぎり、老後への不安を抱く人も減らないのではないでしょうか。