現役大家さんの6割が「賃貸経営の将来は厳しい」と思っている
首都圏と関西圏の現役大家さんにアンケート
賃貸経営情報誌「オーナーズ・スタイル」が、「大家さんが感じる賃貸経営の先行き感」の調査結果を公開しています。
これは「オーナーズ・スタイル」首都圏版と関西版の読者1,000名を対象にアンケートを行なったもので、最終的な有効回答者数は794人でした。
回答者の年齢は40代~70代です。賃貸アパートか賃貸マンションを、平均で約2.4棟(約20室)を所有しています。回答者の半数は、年間1,000万円以上の家賃収入を得ています。
賃貸経営の将来は厳しいと見る大家さんが6割以上
まず、「ご自身の賃貸経営は、10年後、20年後も順調だと思っていますか」と質問しています。
回答は、「とても厳しくなる」と「少し厳しくなる」が、ほぼ3割ずつでした。
2つを合わせると、6割を超える大家さんが、賃貸経営の将来を「厳しいものになる」と見ています。
また、「何らかの手を打つことで順調にできる」という回答が3割でした。そして、「今のままで順調だと思う」という楽観的な回答は、わずか4.9%でした。
少なくとも、現状のまま放置するのではなく、なんらかの対策が必要と判断している人が多いことがわかります。
今回の回答者は、比較的条件の良い、首都圏と関西圏で賃貸経営をしている方々ですが、それでも、これだけ強い危機感を持っています。
悩みと不安の源は「空室」と「家賃の下落」
次に、「今のお悩みや将来の不安は何ですか」と質問しています。
一番多い回答は「空室」で、60%を超えています。
以下、多い順に「家賃の下落」「物件の老朽化」「大規模修繕」「リフォーム」と続きます。
「空室」と「家賃の下落」は、予定している家賃収入が入らないという不安につながっています。
また、「物件の老朽化」「大規模修繕」「リフォーム」が挙がっていることから、賃貸経営がアパートなどの物件を立てて、それで終わりではなく、商品としての魅力を維持するために、必要に応じて修理などの資金投入が必要であることがわかります。
大家は「不労所得の楽な商売」ではなくなっている
今回の調査結果について、「オーナーズ・スタイル」では、次のようにコメントしています。
昨今の大都市圏の地価上昇などの話題に触れると、賃貸経営も未来は明るいのではないか、と感じるかもしれません。しかし一方で、人口が減少し始め、空き家が急増しているといったマイナスの話題もあります。
これまで大家業は「不労所得の楽な商売」と思われがちでしたが、人口減少時代を迎えるに当たり、今後は厳しい商売となることを、多くの大家さん自身が、すでに自覚していると言えそうです。