40歳以上の3割は「働けるうちはいつまでも」働きたいと思っている

40歳以上に限定した意識調査
厚生労働省が「高齢社会に関する意識調査」の結果を公開しています。
これは、40歳以上の男女3,000人にインターネット上で行なった調査です。
地域や年齢ごとにサンプル数を調整しているため、一般的なインターネットアンケートよりも結果の信頼性が高くなっています。
ここでは、高齢者の就労についての項目を紹介しましょう。図版は調査報告書から引用しています。
働けるうちはいつまでも働きたいと思っている
現在、働いているか働くことを希望している人に、「何歳まで働きたいか」と質問しています。
一番多い答えは「働けるうちはいつまでも」で、31.2%でした。
次に多いのは、定年前後の「65歳くらい」と「60歳くらい」で、2つを合わせると40%を越えます。
どうやら、“働けるうちはいつまでも働きたい”という人と、“定年ぐらいまで働けば十分”という、2つの意見があるようです。

「働き続けたいという理由」を年齢別に見ると、40代や50代では「経済上の理由」が多くなっています。
一方、70代以降では「健康上の理由」や「生きがい、社会参加」を挙げる人が増えてきます。

働くときに重視するのは「体力」
「働く時に重視する点を3つ挙げてください」という質問では、「体力的に無理なく続けられる仕事であること」が一番多くなっています。
「自分のペースで進められる仕事であること」と「勤務日や勤務時間が選べること」も多く、自分の体調やペースに合わせて無理なく働けることを重視しているようです。

「高齢期に就労するために取り組もうと思うこと」という質問でも、「健康・体力づくり」が一番多くなっています。
次は「いつまでも現役で活躍するための意欲の維持」でした。
シニアが働き続けるためには、体調や意欲という、自分自身に起因する事情も大きく影響するようです。

自分の年齢が高くなると、「高齢者」の定義も高くなる
ちなみに、回答者の人達は、何歳から上を「高齢者」と思っているのでしょう。
「何歳からを高齢者と思うか」という質問に対して、一番多い答えは「70歳以上」でした。
次に多い「65歳以上」と「75歳以上」を加えると、全体の約77%になります。だいたい、65歳~75歳のあたりが「高齢者」の目安のようです。

しかし、自分の年齢が高い人ほど、高齢者を定義する年齢も高くなります。
40代の回答者は「65歳以上」を高齢者とする人が多いのですが、60代では「70歳以上」が多くなります。
また、「80歳以上」を高齢者とする人は40代では1.2%しかいませんが、70代では10.0%、80代では16.0%に増えます。
80代では「年齢は関係ない」という回答も16.0%あり、自分の年齢を高齢者と認めたくないという意思が感じられます。
年令が高くなるほど、働く理由に「生きがい」を挙げる人が増えることと考え合わせると、“いつまでも現役でありたい”という気持ちが、とても強いものであることがわかります。

将来の選択肢としての「就労」
調査結果からもわかるとおり、仕事に就いているということは、収入を確保する道であり、社会とのつながりや生きがいを手にする道でもあります。
定年まで働けばもう十分という考え方もありますが、働けるうちはいつまでも働くことができれば、それは幸せな選択と言えるでしょう。
高齢者になってからも現役世代並みに働くことは難しいかもしれませんが、自分の体力や意欲に合わせて仕事を続けるという選択肢を考えておきましょう。