今、配偶者がいても、最後は一人暮らしになることを考えておこう
65歳以上の6人に1人は一人暮らし
2015年に行なわれた国勢調査によれば、65歳以上人口のうち,単独世帯の人口は592万8千人でした。
これは、65歳以上の人口3,346万5千人の17.7%にあたります。
つまり、65歳以上の6人に1人が一人暮らしをしている計算になります。
65歳以上で一人暮らしをしている人を、男女別にみると,男性が192万4千人,女性が400万3千人です。
なんと、一人暮らしのシニア女性は、男性の2倍以上います。
65歳以上人口に占める割合は,男性が13.3%,女性が21.1%です。
65歳以上の男性のうち8人に1人,65歳以上の女性のうち5人に1人が一人暮らしをしていることになります。
年齢が高くなるほど、女性の一人暮らしが増える理由
どうして、65歳以上になると、女性の方が一人暮らしが多くなるのでしょう。
もう少し詳しいデータを見てみましょう。
下のグラフは、50歳以上の男性が、どのような世帯の形で暮らしているかを示しています。
男性の場合、夫婦と子供の組み合わせだった世帯から、子供が独立していくので、年齢が高くなるほど「夫婦のみ」の世帯が増えていきます。
しかし、一人暮らしの「単独世帯」の比率は、年齢が高くなっても、ほとんど変わりません。
女性の場合、男性同様に「夫婦のみ」の世帯が増えていきますが、60歳を過ぎると「単独世帯」も増えてきます。
そして、「80~84歳」になると、「単独世帯」の方が「夫婦のみ」の世帯より多くなります。
70代に入ると、女性は「死別・離別」が急増する
こうしたことが起きる理由は、「女性の方が平均寿命が長いこと」と「夫婦のうち男性の方が年上の場合が多い」ため、配偶者と死別することが多いためです。
結婚しているかどうかを示す配偶率のデータを見ると、70歳を過ぎた女性は「死別・離別」が急増していることがわかります。
男性の場合も、70歳を過ぎると「死別・離別」が増加しますが、女性ほどではありません。
残された人の生活を考えておこう
結婚している男性の定年前後の家族構成の変化を追うと、次のようになります。
- 50代~60代で同居していた子供が独立し始める
- 60代~80代まで、夫婦二人で暮らす
これが、女性の場合は、段階が1つ増えます。
- 50代~60代で同居していた子供が独立する
- 60代~70代は、夫婦二人で暮らす
- 70代から夫が先立つことが増え、80代は一人暮らしになる
もちろん、個人の寿命は予想できませんから、かならずしもこの通りになるわけではありません。
しかし、男性の場合、自分は妻に看取ってもらえたとしても、その後の妻の人生を考えておく必要があります。
また、女性の場合は、夫が先立ったあとの生活をどのように送るかということは重要です。万が一に備えて、年金や保険などの状況を確認し、どこに住むかということぐらいは考えておきましょう。