「包丁人味平」の原作者が始めた「日本一安いお墓」

[2016/11/3 00:00]
転法輪山 願行寺「涅槃堂」

手数料込みでも「15,400円」

永代供養を行なってくれる永代供養墓や納骨堂は、全国でも増えています。

しかし、静岡県伊東市の転法輪山 願行寺が始めた「日本一安いお墓」は、『業界最安値』を称して価格を前面に押し出した点で、強烈な印象を受けます。

「日本一安いお墓」の利用費は「1万円」、これに納骨までの手数料「5千円(税別)」が加わって「15,400円」となります。

ニュースリリースでは、このような価格設定をした主旨として「永代供養といえど色々な不安が付きまとっており、あえて明瞭な業界最安値で安心させてあげたい」と語っています。

13回忌までの法要付き

「日本一安いお墓」はタイプとしては、納骨堂式で、願行寺の境内にある「涅槃堂(ねはんどう)」に納骨されます。

13回忌法要までは年2回の彼岸とお盆、月1回のご供養が行なわれます。13回忌まで預かった後は合祀(ごうし)となります。

申し込みは「おもてなしの会」が窓口

「涅槃堂」への申し込み窓口は、願行寺ではなく、「一般社団法人 おもてなしの会」となります。

おもてなしの会は、「涅槃堂」の受付窓口として、プロモーションや販売を展開している団体で、都内に事務所があります。

「涅槃堂」へ納骨する場合、予約して骨壷を持参するか、「送骨(そうこつ)」を利用します。

「送骨」は、ゆうパックを利用して骨壷を送るもので、遠隔地にある永代供養墓では扱うところが増えています。

「送骨」用のキット。骨壺の蓋をガムテープ等でしっかり固定するよう指示されている

住職は「包丁人味平」の原作者

「涅槃堂」がある願行寺の住職 牛込覚心師は、「牛次郎(ぎゅうじろう)」のペンネームで漫画の原作者として活躍された方です。

代表作である「包丁人味平」や「スーパーくいしん坊」を覚えている方も多いでしょう。

時代を捉えてマンガに反映させるセンスが、今回の『業界最安値』を名乗る「日本一安いお墓」のアイデアや、「おもてなしの会」経由とは言え、一般企業のようにニュースリリースを配信する手法に表れているようです。

1986年に臨済宗妙心寺派医王寺で出家得度され、1989年に願行寺を建立されました。寺院の設計も自身で行なわれています。

願行寺住職 牛込覚心師

「どなたでも必ず涅槃へいけますように」

最後に、ご住職の挨拶をご紹介しましょう。


周りに特に親しくしているお寺などもないのでどこへ相談していいか分からない。
例え立派なお墓を作ってもその後管理していく者がいない。

当寺院でも、このようなお話を数多く聞きます。

終活に代表されるようにご自身の葬儀の事や、その後のご家族の事などをきちんと整理することをお考えの方もいれば、核家族化における仏教離れや家族の絆が薄れているので迷惑をかけたくないとお考えの方も実に千差万別、色々なお考えの方がいらっしゃいます。

こういった個々のこれからのニーズに少しでも応えていくべく、どなたでも必ず涅槃へいけますようにという思いで納骨堂を用意しております。

誰しもが平等に、また一人でも多くの方に穏やかにお休みいただけるようご供養いたします。

願行寺住職 牛込覚心

[シニアガイド編集部]