2017年1月から地震保険が値上がり。今こそ加入を検討する時期
地震保険が値上げ
地震による家屋などの被害に備える「地震保険」の保険料が、2017年1月契約分から、5.1%の値上げとなります。
今回の値上げは、地震保険の算出の基礎となっている震源などのデータが更新されたことによるものです。
ただし、値上げは一律ではなく、県によっては値下げされる場合もあります。
値上げの内容と、それに伴う制度の変更を紹介し、どのように対応すればトクになるのか考えてみましょう。
値上げの理由は「地震」の見直し
今回、地震保険の保険料が値上げになるのは、簡単に言うと、日本で起きる地震についての想定が厳しいものになったからです。
地震保険の保険料の計算は、政府の地震調査研究推進本部が作成した「全国地震動予測地図 2014年版」を基礎として行なわれています。
東日本大震災の結果を受けて、地震の震源についての想定が厳しくなり、それに伴って被害想定も大きくなりました。
それに従って、地震保険が想定している保険金の支払額も大きくなり、加入者が支払う保険料が値上げとなるのです。
しかも、今回の値上げは、本来ならやるべき値上げ幅が大きすぎるため、ある程度抑えたものとなっています。今後も、保険料が値上がりする方向にありますから、早めに加入することをお勧めします。
一部に値下がりする県もある
地震保険では、地震の起こりやすさや被害想定に応じて、都道府県を3段階に分類しています。
今回、これが見直され、一部の県では区分が下がりました。
例えば、愛知、三重、大阪、和歌山、愛媛の5府県は、これまで一番危険とされる「3等地」でしたが、「2等地」に引き下げられました。
同様に、北海道、青森、新潟、岐阜、京都、兵庫、奈良の道府県は、「2等地」から「1等地」へと引き下げられました。
区分が引き下げられた道府県では、地震保険の保険料が安くなります。
ただし、今回は保険料全体が値上げとなっているため、値上げ分と差し引きで、値下げではなく、少しの値上げとなっているところもあります。一覧表で確認してください。
なお、地震保険の制度は国による部分が多く、保険金については保険会社による差はありません。生命保険のように、横並びにしてチェックする必要がないことは覚えておきましょう。
損害区分が3つから4つに
これまで、地震保険の損害の区分は、「全損」「半損」「一部損」の3段階でした。
それが、今回から「半損」が「大半損」と「小半損」に分かれて、4段階になります。
これは、半損で出る保険金が「50%」でしたが、大半損が「60%」、小半損が「30%」とすることで、被害に応じた保険金が出るようになりました。
日本全国、どこでも地震は起きる
2016年だけでも、4月の「平成28年(2016年)熊本地震」、10月の「鳥取県中部地震」と大きな地震が続きました。
記事末にある全国地震動予測地図を見ると、今後30年以内に「震度6弱」以上の揺れに見舞われる地域は、全国すべてと言って良い状況です。
よく、「~では、地震は起きない」と地名を挙げる人がいますが、全国どこでも地震が起きる可能性があることは、この地図を見れば明らかです。
地震保険の区分では3等地であった熊本でも、熊本地震では約3,621億円の保険金が地震保険によって支払われており、生活を再建するための一助となりました。
それよりも危険度が高い、太平洋岸の都道府県に持ち家のある方は、火災保険とセットで加入するよう検討してください。