老後も、いま住んでいる場所で暮らしたいと思っている都民は6割を超える
東京都の福祉保健局が、「高齢者施策に関する都民意識調査」の結果を公開しています。
この調査は、20歳から65歳までの都民6,000人を選択して質問紙を郵送し、そのうちの2,602人から有効回答を得ています。
この記事では、その報告書から「高齢期を過ごしたい場所」について見てみましょう。
今のエリアに住み続けたい人が多い
「高齢期を過ごしたい場所は、どこですか」という質問に対し、「都内の現在住んでいるエリア」という回答が一番多く、60%を超えています。
年代別に見ると、年齢を重ねるにつれて、現在のエリアに住み続けたいという意向が増えていきます。
便利さと人間関係が住む場所を決める
「高齢期の住まいとして、その場所を選んだ理由」を聞いたところ、「住み慣れた地域に暮らしたいから」が多く、66%でした。
2位以下は、「日常生活の利便性」「親しい人がいるから」「公共交通の利便性」が挙がっています。
生活の便利さと、家族や友人などとの人間関係が、老後の生活場所を選ぶ理由となっています。
“住み替え”よりも“バリアフリー化”を選ぶ人が多い
「高齢期の住まいについて、“住み替え”や“バリアフリー化”を考えているか」を聞いています。
“住み替え”を考えている人が30%、“バリアフリー化”を考えている人が“37%”でした。
「すでにバリアフリーの住居に住んでいる」という人も11%居ますので、どちらかといえば“バリアフリー化”の方が優勢です。
慣れた環境から離れたくないという気持ちがある
調査結果では、年齢を重ねるにつれて、現在のエリアに住み続けたいという意向が増えていました。
住まいの選定では、どこような家に住むかということだけではなく、買い物や交通などの周辺環境が影響してきます。
特に高齢者の場合、「住み慣れた」という感覚と、日常的な挨拶を交わす人を含めた人間関係が重要です。
「都内の現在住んでいるエリア」という回答が一番多いのも、住み替えよりも今の家のバリアフリー化を選ぶ人が多いのも、慣れた環境から離れたくないという気持ちが強いからではないでしょうか。