睡眠時間は60代から増えるが、「健康状態の改善」が安眠の課題に
厚労省が行なっている「平成27年 国民健康・栄養調査」で、睡眠時間に関する調査が行なわれています。
10歳区切りの年代別の結果が公開されており、各年代における睡眠と、睡眠を妨げる理由を比較することができます。
ここでは、50代以上に限って、各年代における睡眠の問題を見ていきましょう。
年齢が高くなると、睡眠時間が長くなる
まず、睡眠時間を見てみましょう。
男性の場合、年齢が上がるにつれて睡眠時間が長くなる傾向があります。
例えば、一番多い睡眠時間は、50代では「5~6時間」ですが、60代以降は「6~7時間」になります。
また、50代では「9時間以上」寝る人は0%ですが、60代では1.5%、70代以上では6.7%に増えていきます。
睡眠時間が「8~9時間」と「7~8時間」の人も同じ傾向で、年齢が上がるにつれて増えていきます。
女性の場合、男性に比べて睡眠時間が短めです。
しかし、全体の傾向は男性に似ており、年齢が上がるに連れて睡眠時間が長くなっています。
ただし、70代になっても、睡眠時間が「5時間未満」と「5~6時間」の人を合わせると、全体の3分の1近くになり、年齢を重ねても睡眠時間が短いままの人がいることがわかります。
60代以降は「健康状態」が睡眠の妨げとなる
睡眠の妨げになっているものがあるという回答者を対象に「睡眠を確保するために最も必要としていること」を聞いています。
男性では、20代から50代まで「就労時間の短縮」を挙げており、年代を問わず長時間勤務であることがわかります。
それが、60代と70代以上では「健康状態の改善」へと大きく変わります。
男性の場合、現役中は長時間の労働が、引退後は自分の健康状態が、睡眠の妨げとなっていることがわかりした。
女性では、20代は「就寝前の携帯電話(メール・ゲーム)」が1位でした。
30代は「育児」、40代は「家事」、50代から70代以上は「健康状態の改善」と、年代ごとに睡眠の妨げとなる理由が変わっていきます。
睡眠の妨げとなるものは、50代以下では男女差がありますが、60代以降は男女とも「健康状態」が最大の原因となっています。
60代以上は睡眠の質が良くなる?
また、睡眠の質を知るために「寝付きに時間がかかる」「夜中に目が覚めて困った」などの症状を聞いています。
男性の場合、20代から50代までは「日中眠気を感じた」という回答が一番多いのですが、60代からは「そのような症状はなかった」が一番多くなります。
女性の場合は、もう少し長くて20代から60代まで「日中眠気を感じた」という回答が一番多く、70代から「そのような症状はなかった」が一番多くなります。
まとめると、男女とも60代になると、現役世代に比べると、睡眠の質が改善されてよく眠れるようになるようです。ただし、この年代の安眠のカギは自分の健康状態です。将来の安眠に備えて、心身の健康維持につとめましょう。