「ガン検診」に行かない理由は、お金と手間と時間
味の素が、全国20歳以上の男女8,564人を対象にした「ガンの予防意識」に関する調査結果を公開しています。
味の素は食品会社のイメージが強く、ガンとは結びつかないのですが、1回の採血で複数のガンのリスクを知ることができる検査の開発など、この分野でも実績があるメーカーです。
ガンに対するイメージ
ガンについては、「早期発見が大事だと思う」「怖い病気であると思う」「ガン検診は、ガンの早期発見、早期治療につながる」などの回答が80%を越えています。
単に「恐い病気」というだけではなく、「早期発見が治療につながる」という認識も広まっています。
ガン検診を受けるきっかけが必要
ガン検診を受診したきっかけを聞いたところ、「体に実際に不調が感じられる時」、「健康診断で、ガン検査が必要と判定が出た時」が30%を越えています。
これに、「自治体からの案内が来たとき」と「家族・親戚がガンになったとき」が20%台で続いています。
体の異常、検査受診の案内、ガンに関する情報など、何かきっかけがないと受診に踏み切れない様子がうかがえます。
ガン検診を受けなければと思っているが、受けていない
ガン検診を受診する頻度について、約7割の人が「1年に1回以上」受診するべきと回答しています。
しかし、実際に受診している頻度については、約4割の人が「全く受診していない」「受診する必要はない」と回答しています。
つまり、ガン検診に行かなければならないとは思ってはいるが、行っていない人が多いようです。
ガン検診に行かない理由は、お金と手間と時間
「何が改善されれば、よりガン検診を受診するか」という質問には、「金額」「受診までの手間」「所要時間」などが挙がっています。
逆に言えば、お金と手間と時間が、ガン検診を受けていない理由のようです。
配偶者にはガン検診を受けてほしいが、なかなか言えない
既婚者に限定して、「ガン検診を受けて欲しい人」を聞いています。
1位が「配偶者・パートナー」で80%を越えました。しかし、実際に配偶者にガン検診を勧めたことがある人は45.6%しかいません。
ここでは、ガン検診を勧めていない理由は聞いていないのですが、やはり機嫌が悪くなったりするからかもしれません。
健診を受けて欲しい理由は「健康でいて欲しいから」
「配偶者にガン検診を受けてもらいたい理由」は「健康でいて欲しいから」が1位でした。
2位は「長生きして欲しいから」、3位は「早期に発見すれば治るかもしれないから」。
全体的に、女性の方が男性より配偶者に検診を受けてもらいたいと考える傾向が強くなっています。
正しく怖れるからこそガン検診を受けよう
アンケートの項目にはないのですが、ガン検診を避けている人の理由として、「自分だけはガンにならない」と「本当にガンだったら怖い」という人を良く見かけます。
やはり、ガンという病気を怖れるがゆえに、ガンと正しく向き合うのは難しいのでしょう。
「ガン(悪性新生物)」は、日本人の死亡原因第一位ですから、怖い病気であることは間違いありません。
しかし、5年相対生存率が90%を超えているガンも複数あり、必ずしも治らない病気ではなくなっています。
ガンは早期発見が生き残る可能性につながる病気です。
怖い病気であるという気持ちがあるのであれば、それを大切にして、逃げずにガン検診を受けるようにしましょう。