日本人の死亡原因の1位は男女とも「ガン」、部位別では「気管支および肺」
日本人の死亡原因のグラフ
厚労省から発表された「平成29年(2017)人口動態統計(確定数)」を基に、日本人の死亡原因のグラフを紹介します。
現在の日本人が、どのような原因で死亡しているかというデータは、自分の人生の行末を考える際にも参考となります。
まず、男女合わせた総数で見てみましょう。
1位は「悪性新生物(ガン)」でした。2位が「心疾患(心臓)」、3位が「脳血管疾患」、4位が「老衰」、5位が「肺炎」となっています。
「肺炎」が3位から5位に下がり、「脳血管疾患」と「老衰」の順位が上がりました。
対象を「男性」に限ると、「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」が8位に入ってきます。
COPDは、以前は「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれていた病気で、喫煙が原因とされています。
男性は「肺炎」やCOPDなど、肺の病気の割合が女性よりも高く、男女の喫煙率の差が影響している可能性があります。
また、女性では10位までに入っていない「自殺」が、男性では9位に入っています。
「女性」では、「老衰」が3位に上がります。
また、9位に「血管性等の認知症」、10位に「アルツハイマー病」が入っています。
いずれも、老化にともなってかかりやすくなる病気なので、男性に比べて長生きをしている人が多いことが推測されます。
なお、総数だけでなく、男女の死亡原因の1位も「悪性新生物」でした。男性は3人に1人、女性は4人に1人がガンで死んでいることになります。
死亡原因になりやすいガンは「気管支および肺」
死亡原因の1位を占めている「悪性新生物」について、もう少しくわしく見てみましょう。
男性と女性では、器官が異なっているので性別のみグラフを作りました。
「前立腺」は男性のみ、「子宮」と「卵巣」は女性のみにある器官です。
男性では、「気管支および肺」が1位で、以下、「胃」「肝臓」「結腸」「膵臓」が続きます。
いわゆる「大腸ガン」は、ここでは、「結腸」と「直腸S状結腸移行部および直腸」に分かれているので順位が下がっています。「大腸ガン」としてまとめると、3位に入ります。
女性も「気管支および肺」が1位で、以下、「結腸」「膵臓」「胃」「乳房」と続きます。
女性に多い「乳房」以外は、死亡原因となる部位は、ほぼ共通していることが分かります。
「結腸」と「直腸S状結腸移行部および直腸」を「大腸ガン」としてまとめると、「気管支および肺」を抜いて1位となります。
「死亡原因」という言葉の意味
注意しなければいけないのは、この順位と数字は、「死亡原因となったガンの種別」であることです。
どのガンで死んだかということは分かりますが、どのガンの死亡率が高いか、つまり死にやすいかはわかりません。
それを知りたい場合は、国立がん研究センター ガン情報サービスの「最新がん統計」などで、「5年生存率」などを見てください。
また、ガンの症状や生存率は、個人ごとの体力や進行具合、ガンの遺伝子型によって異なります。
実際の治療にあたっては、主治医と相談しながら方針を決めましょう。
【お知らせ】この記事は2018年9月10日に内容を更新しました。