日本初の大学院博士課程「シニア向け入試」を、東京経済大学が開始

[2016/11/28 00:00]
シニア向け入試ポスターの一部

博士課程にもシニア入試が登場

東京経済大学は、2017年4月から、大学院コミュニケーション学研究科の博士課程において「シニア向け入試」を開始すると発表しました。

対象となるのは、入学時に満52歳以上で、国内外の大学院の修士課程を修了している人です。

正規の大学院博士課程でシニア向けに特化した入試を行うのは、全国で初めての試みとしています。

博士課程のシニア向け入試を導入した理由は「大学院の修士号を取得した後、社会での実務経験を積んだ方が、研究期間のブランクを気にせず応募できる利点がある」としています。

シニア向け大学院博士課程の出願期間は2017年1月5日~1月11日(必着)です。入試は書類審査と面接で行なわれます。出願時に修士論文や研究計画書等を提出して、2月18日に面接試験を行ないます。入学検定料は35,000円です。

出願に先立ち、11月28日より事前相談(要予約)を受け付け、12月3日に大学院の一斉説明会が行われます。日程が迫っていますので、注意してください。

なお、初年度の学費は、他大学卒業生が95万円、東京経済大学卒業生が87万円です。これは一括払い時の金額ですが、分割して納入することもできます。

2007年から修士課程のシニア入試を開始

東京経済大学では、2002年からシニア向けの研究生制度(非正規)を開設、2007年から正規の大学院修士課程のシニア向け入試を始めました。

東京経済大学のシニア大学院は、「大学院修士課程の在学期間を通常は2年のところ、シニア大学院生に限っては2年分の学費で最大4年まで在籍を延長することが可能な制度」であり、2007年の導入当初から実施されています。

これまでに同大でシニア大学院生として入学した人は、2007年度からの通算で36人(うち13人がコミュニケーション学研究科)に上っています。

今回の制度は、このシニア向け入試を博士課程に拡大したもので、さらに高度化した内容を求める人を対象として導入されました。

大学院修士課程でシニア入試が増える理由

近年は、大学院修士課程で社会人コースを設けたり、シニア向けの特別入試を実施したりする大学が増えています。

文部科学省の「学校基本調査」によれば、約20年間で大学院の在籍者数は約2倍となり、社会人の大学院への進学意欲も高まっています。

2014年に大学院へ入学した社会人は約18,000人で、大学院入学者全体の18.2%、そのうち博士課程の社会人入学者(2014年)は約5,800人で37.7%を占めています。

しかし、仕事をしながら大学院へ通うのは難しいことです。そのため、仕事のキャリアを積み、忙しさが一段落して定年を迎える前後の世代を対象にした、シニア大学院生入試を始める大学が増えています。

高校を卒業したばかりの世代が、少子高齢化によって減少し続けているだけに、今後もシニア用の入試制度を用意する大学や大学院は増えていくでしょう。

大学院の社会人入学者数の推移(推計) 提供:東京経済大学
修士課程への社会人の受入れ状況 提供:東京経済大学
博士課程への社会人の受入れ状況 提供:東京経済大学
[シニアガイド編集部]