終活をする理由は「家族に迷惑をかけたくないから」
インターネット調査会社のマクロミルが、「終活」についての調査の結果を公開しています。
調査は全国の60歳~79歳の男女を対象に実施しており、有効回答数は1,000人です。
「終活」という言葉は8割の人が知っている
「終活」という言葉を「知っている」と答えた人は約80%でした。
少なくとも60歳以上の人は、ある程度定着した言葉となっているようです。
「終活」をしている人は1割もいない
「終活(にあたること)をしていますか」という質問に、「すでにやっている」と答えた人は9%しかいませんでした。
「近いうちに始めようと思っている」人も9%しかいません。
一番多い回答は、「時期が来たら行ないたいと思っている」で56%でした。
終活をする理由は「家族に迷惑をかけたくないから」
「終活を行なっている/行なおうと思っている」と回答した人に、その理由を複数回答ありで聞いています。
1位は「家族に迷惑をかけたくないから」で71%でした。
2位は「病気やけがなどで寝たきりになったりした場合に備えて」で40%、3位は「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」で32%でした。
「人生でまだやり残したことがある」人は6割
回答者全体の60%が「人生でまだやり残したことがある」と回答しています。
自由回答で、「やり残していること」を尋ねたところ、圧倒的に多かったのは「旅行」に関連する内容で37%が該当しました。具体的には、「世界一周」「海外旅行」「夫婦で旅行」などが挙がっています。
次に多いのは、「子どもや孫」についての内容で13%が該当しました。具体的には「子どもの結婚」「孫の成長を見届けたい」などが挙がっています。
いつか始めるのではなく、いま始めよう
この調査では、「終活」を以下のように定義しています。
「終活」とは、「人生の終わりのための活動」の略で人間が人生の最期を迎えるにあたって執る様々な準備やそこに向けた人生の総括を意味する言葉です。具体的には、葬儀や墓の準備や、生前整理、財産の相続を円滑に進められるために計画を立てておくことなどを指します。最近では、「人生のエンディングを考えることを通じて”自分”を見つめ、”今”をよりよく、自分らしく生きる活動」のことも指しています。
つまり、「死を意識することによって、より良く生きる」ことが「終活」の目的となっています。
しかし、アンケートでは終活を始めている人は少なく、半数以上の人は「時期が来たら行ないたいと思っている」と回答しています。
終活に限りませんが、「いつか始めるつもり」は、いつまでも始まらないことにつながります。多くの人は、自分の人生の終わりを見つめることを避けて、できれば先に伸ばしたいと感じているようです。
もし、本気で終活を始めるのであれば、いきなりエンディングノートや遺言にとりかかるのではなく、まず、自分が居なくなった世界を想像してみるところから始めてみましょう。行動はおっくうになりがちですが、考えることならば、今すぐ始められます。
自分の人生が有限であると考えることができれば、「人生でやり残したこと」にも、早く手を付けることができるでしょう。