資産1億円以上の富裕層が122万人に増加。今後は生前贈与が活発に
[2016/12/5 00:00]
資産1億円以上の富裕層は114万人
野村総合研究所(NRI)が、「日本の富裕層と超富裕層の世帯数が増加し、2000年以降では最多となった」と発表しています。
NRIによれば、2015年時点で「純金融資産保有額」が1億円以上5億円未満の「富裕層」が114.4万世帯、同5億円以上の「超富裕層」が7.3万世帯だったとしています。
この数字は、2015年の日本における純金融資産保有額別の世帯数と資産規模を、各種統計等から推計したものです。
2つの富裕層を合わせた、世帯数は121.7万世帯で、同様の方法で推計を行なってきた2000年以降では最多となりました。
「純金融資産保有額」は、保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた値です。この場合の金融資産は、預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険などを指します。
株価の上昇が富裕層が増えた理由
富裕層と超富裕層が増加した理由は、2013年から2015年にかけての株価上昇によるものとしています。
これにより、2013年時点では純金融資産が5,000万円以上1億円未満の「準富裕層」と、1億円以上5億円未満の「富裕層」の多くが資産を増やして、それぞれ1つ上の階層へ上がったと見ています。
なお、2016年に入ってからは、円高や株価の低迷等により、富裕層・超富裕層の純金融資産額の増加は停滞しているとしています。
相続税課税の強化もあって「生前贈与」が増えると予想
NRIでは、富裕層が増加したことと、相続税課税強化の動きとによって、「生前贈与」が活発化すると予想しています。
リリースでは、『資産の生前贈与が進むことで、富裕層や超富裕層が保有する資産が、相続の時期を待たずに次世代に移転し、消費や資産運用などの経済活動が活発化することが期待されます』とコメントしています。