独身者が親と同居する理由は、40代は「生活費を節約したいから」、50代は「介護のため」
マンション相場情報サイト「マンションマーケット」が「親と同居を続ける未婚男女の意識調査」の結果を公開しています。
この調査は、親または祖父母と同居している20代~50代の未婚男女326人に、インターネット経由でアンケートしたものです。
回答者の年齢別の結果が公開されており、興味深い結果が出ています。
親と同居する理由は「生活費を節約したいから」
まず、「親または祖父母と同居する一番の理由は何ですか」と質問しています。
同居理由の1位は「生活費を節約したいから」で、全体の約3割を占めています。
2位は「特に理由はない」、3位は「家事や炊事をしてもらえるから」でした。
男女別に見ても、3位までは順位は同じでした。
40代の同居理由は「生活費を節約したいから」
「親または祖父母と同居する理由」の回答を年代別に見てみます。
ここでは40代と50代を見てみましょう。
40代では、「生活費を節約したいから」、「家事や炊事をしてもらえるから」、「職場が近いから」などが上位に入っています。
また、女性では「介護のため」と「親にいてほしいと言われるから」が多くなっています。
一方、男性は「特になし」が1位で、しかも回答の30%以上を占めており、「必ずしも親や祖父母との同居が必要ではないが、とりわけ別居する理由もない」という考えがうかがえます。
50代では、男女の違いがくっきりと出ました。
男性の1位は「介護のため」で、44.4%を占めています。
また、「親にいてほしいと言われるから」も11%います。
40代までのような、自分中心の同居から、親のための同居へと変わっていることが分かります。
一方、女性は「特にない」が1位で、40代とは大きく変わっています。
年齢が上がると「一人暮らし」の希望が少なくなる
親との同居をめぐる、男女の違いは「一人暮らしをする予定がある、もしくはしたいと思いますか」という質問の回答にも現れています。
男性の場合、40代、50代と年齢が上がるほど、「一人暮らしをする予定がある」と「一人暮らしをする予定はないが、したいと思っている」と回答した人が少なくなっていきます。
一方、女性の場合、40代は男性とあまり差がありませんが、50代になると「一人暮らしをする予定がある」という強く一人暮らしを希望する人が増えます。
「しなくてはならない同居」になる前に、親元を離れる勇気
アンケートの結果を見ると、男女とも40代と50代では親の状況や関係が変わっていることが感じられます。
男性は40代までは同居していることに対して無自覚で、なんとなく親元を離れていない感じです。しかし、50代になると「親の介護」という問題が表れて、「しなくてはならない同居」へと変化しています。それが、将来的な一人暮らしの可能性についても考えにくくなる理由でしょう。
それに対して、女性の場合は、40代まで親と仲良く暮らしていますが、同居によるメリットが感じにくくなり、一部の人は「一人暮らし」を強く望むようになります。
いずれにしても、親との同居は永遠には続きません。また、同居を続けていると「自分がメリットを享受するために続けている同居」から、親の介護や経済的問題による「しなくてはならない同居」へと変質し、束縛も強くなっていきます。
いつか親元を離れることを考えている人は、独立するきっかけを逃さないよう決断する勇気を持ちましょう。