「アダルトサイトとのトラブル解決」をうたう探偵業者による被害に注意

[2016/12/16 00:00]

全国の消費生活センター等に「アダルトサイトを見ようとしたら、突然『登録完了』等の画面が表示され、高額な料金を請求された・支払ってしまった」などアダルトサイトに関する相談が多く寄せられています。

さらに、こうしたトラブルを解決しようと、インターネットで相談先や解決方法を検索して、「無料相談」「返金可能」をうたう窓口に相談したところ、実際には探偵業者に「アダルトサイト業者の調査」を数万円で依頼しており、アダルトサイト業者からの返金もなかった、といった相談が急増しています。

アダルトサイトとのトラブルを解決しようとして、新たに探偵業者とのトラブルを抱え込み、被害を拡大してしまうのです。

被害者は男性が6割。年齢は問わず

アダルトサイトをめぐる探偵とのトラブルで、国民生活センターなどに寄せられた相談は、過去5年間で12,777件に上っています。

今年度は、11月末の時点で、すでに4,191件に達しており、過去最高の勢いです。

相談件数の推移。今年は前年同時期よりも増えている

探偵業者とのトラブルの当事者は、男性が59%、女性が41%でした。

女性は20~40歳代が多く、男性は年齢を問いません。

契約当事者の性別と年齢。男性は年齢層が広い

被害金額は3~10万円

相談事例を見ると、消費者がインターネットで広告やホームページを見て、探偵業者に電話で連絡しているケースがほとんどでした。

契約の有無をみると「既に契約した」が75%、「まだ契約していない」が24%でした。

契約の金額は、3 万円から10万円が多く、9割以上を占めます。

「訴えられる」「個人情報が漏れる」などと言って不安にさせる

国民生活センターに寄せられた相談事例では、次のような問題点が浮かび上がっています。

  • 「調査」であることを説明せず、契約すれば請求が止まる・返金されると誤解させている
  • 調査の結果は、アダルトサイトのトラブルの解決に必ずしも役立つものではない
  • 自治体の消費生活センターに類似した名称を名乗り、連絡をさせている
  • 「訴えられる」「個人情報が漏れる」など消費者を不安にさせ、契約させている
  • 「警察と連携している」「個人情報を削除できる」など事実と異なる説明で信用させている
  • キャンセルをすると、高額な解約料を請求する

探偵より先に消費者センターに相談を

国民生活センターでは、消費者へのアドバイスとして、次の3点を挙げています。

  • 相談先が自治体の消費生活センター等かどうか、しっかり確認してから連絡しましょう
  • アダルトサイトとのトラブル解決をうたう探偵業者への依頼は慎重に検討しましょう
  • 地元自治体の消費生活センター等に相談しましょう

アダルトサイトをめぐるトラブルは増え続けていますが、相談先を間違えたがために、さらにトラブルを大きくする可能性があります。インターネット上のトラブルであっても、まずは地元自治体の消費生活センター等に相談しましょう。

また、「消費者センター」「問題解決サイト」などを称する怪しげなサイトも多くなっています。消費者センターへ連絡をとる場合は、必ず国民生活センターのWebサイトで連絡先を確認しましょう。

[シニアガイド編集部]