今年、地震や台風で被災した人は、確定申告して減税しよう

[2016/12/27 00:19]

災害の被害に対する減税制度

今年2016年は、4月の熊本地震を始め、各地で地震や風水害による被害が多かったという印象があります。

このような災害で被害を受けた場合、国や市区町村による公的な支援制度が用意されています。

比較的良く知られているのは、「災害生活支援制度」や「災害援護資金」などの「貰えるお金」です。

一方で、「所得税の減額」など、「払うお金を減らしてくれる」制度もあります。

こちらの方は、直接お金が貰えるわけではなく、ちょっと地味な印象ですし、自分で手続をする必要もあります。

しかし、「所得税の減額」についていえば、比較的簡単な手続きで、その年の所得税が半額になったり、全額が免除されたりする可能性もあるので、忘れずに手続きをしましょう。

確定申告をして所得税を減らそう

ここでは災害で被害を受けた場合の「所得税の減額」について紹介します。

こういう時に使える制度には「雑損控除」と「災害減免法による所得税の軽減免除」という2つがあります。

2つの制度を一緒に使うことはできないので、自分にとって有利になる方の制度を利用します。


  • 「雑損控除」

    「雑損控除」は簡単に言うと、自宅など「生活に必要な資産」が被害を受けた場合と、災害に関連してやむを得ない支出をした場合に、その金額を「所得」から差し引くことができます。

    自分が被害を受けた場合だけではなく、配偶者や一部の親族が被災した場合も対象になります。

    また、自然災害だけではなく、「火災」や「盗難」など、一部の人災も対象となるので、覚えておきましょう。

  • 「災害減免法による所得税の軽減免除」

    災害減免法を利用すると、災害によって受けた住宅や家財の損害金額がその時価の2分の1以上で、かつ、災害にあった年の所得金額の合計額が1,000万円以下のときに、所得税が軽減または免除されます。

    例えば、所得が「500万円以下」であれば、所得税の全額が免除されます。所得が「500~750万円」なら2分の1、「750万円~1,000万円」なら4分の1が軽減されます。

いずれの制度を選んだ場合でも、具体的な手続きとしては、「確定申告」をするだけです。

どちらの制度を選んだほうが有利なのかは、自分の所得の金額にもよりますし、それぞれ細かい条件もあります。

まずは、もよりの「税務署」に、損害を受けた家屋などの書類、災害等に関連したやむを得ない支出の金額の領収書、自分の収入が分かる書類などをもって、相談に行きましょう。

せっかくの支援制度ですから、できるだけ利用して、災害の被害を少しでも取り戻せることをお祈りします。

[シニアガイド編集部]