今年から、3回に分けて合計93日取れるようになった「介護休業」

[2017/1/2 00:00]

2017年1月1日に「改正 育児・介護休業法」が施行されました。

この法律は、労働者が育児や介護による休業(長い休み)を取る権利について定めたものです。

今回の改正の目的は、育児や介護による離職を防ぐことです。そのため、これまでより柔軟に休業が取れるように、いろいろな手段が講じられています。

ここでは、「介護休業」に絞って、改正点を見ていきましょう。

なお、図版の出典は全て厚労省の発表資料です。

3回に分けて介護休業が取れる

これまで「介護休業」には、「1回限り」「93日まで」という規定がありました。

今回の改正により、「対象家族1人に付き通算93日まで、3回を上限として分割して取れる」ことになりました。

93日という日数は、3カ月に相当します。例えば、1カ月の介護休業を3回取れると分かっていれば、多少は介護の計画が立てやすくなります。

介護は、最初に症状が出た状態から、だんだん症状が進むことが多く、そのつど、介護の体制を変えていく必要があります。

しかし、これまでのように1度だけしか介護休業が取れないと、症状が悪化して、ふたたび長い休みが必要になった時点で、介護による離職に追い込まれることが多かったのです。

今回の改正で、最大3度に分けて介護休業を取れるので、再び長い休業が必要になった場合でも、離職せずに、再び職に戻ることができます。

介護休業を分割して取るイメージ

介護対象者の拡大

また、今回の改正に合わせて、省令によって決められていた「介護休業等の対象家族の範囲」が拡大されました。

これまでは、「配偶者」「父母」「子」「配偶者の父母」「同居かつ扶養している祖父母」「兄弟姉妹及び孫」に限られていましたが、新たに「扶養していない祖父母、兄弟姉妹及び孫」が追加されました。

赤枠で囲った「扶養していない祖父母や兄弟姉妹」が、介護の対象となる場合も少なくない

介護休暇が半日単位で取れる

介護休業とは別に、年に5日まで取れる「介護休暇」という制度があります。

これまで、介護休暇は1日単位で取るものでしたが、今回の改正により「半日単位」で取れるようになりました。

それ以外の改正点

これ以外にも、決められた時間を延長する労働が拒否できる「介護のための所定労働時間の免除」や、労働時間を短縮するよう交渉できる「介護のための所定労働時間の短縮措置」なども、改正には含まれています。

ただし、これは「労働期間が1年以上」などの規定があり、すべての人が対象ではありません。また、フレックスタイム制の導入などによって代えることもできます。

自分が利用できるか、自分のニーズに合うかどうか、会社の制度を確認しておきましょう。

介護関係の改正点

年間で「9万5千人」もいる介護離職

最後に、「介護離職」の状況を、厚労省の資料で見てみましょう。

家族の介護や看護を理由とする離職を、「介護離職」と言います。

介護離職する人は、1年間に「約9万5千人」もおり、女性が8割を占めます。

介護離職の現状。男性の比率は20%ほどなので、女性の退職が多いことが分かる

なお、介護を必要とする「要介護者」になる理由の1位は「脳血管疾患」、2位は「認知症」、3位は「高齢による衰弱」です。

このうち、脳血管疾患は、ある程度の予防ができる疾患です。自分自身が要介護者にならないように、定期検診や日常生活での配慮を欠かさないようにしましょう。

要介護者になる原因の疾患。以前に比べて「認知症」の順位が上がっているが、1位は「脳血管疾患」のまま
[シニアガイド編集部]