お餅による事故の4割は生命に危険が及んでいる
[2017/1/11 00:00]
お餅による窒息に注意
2017年の正月も、お餅を喉に詰まらせて死亡するという事故が発生しています。
ここでは、東京消防庁の資料を基にして、「餅による窒息事故」を防ぐためのポイントを紹介します。
毎年100人が救急搬送されている
東京消防庁の統計によれば、毎年、東京都内だけで約100人の人が、餅などを喉に詰まらせて、救急車で病院に搬送されています。
4割は生命が危険な状態
救急車で病院に運ばれたあとの病状を見ると、約7割が「入院が必要な状態」か、さらに重い状態となっています。
さらに、4割以上は「死亡」か「切迫した重篤な状態」となっており、餅による事故は生命の危険に直結しています。
70代以上の高齢者が危ない
搬送された人の9割は「65歳以上」の高齢者です。
さらに詳しく見ると、「80~84歳」が一番多く、「85~89歳」と「75~79歳」が続いています。
70代後半以上の高齢者が、事故に当事者になりやすいことがわかります。
また、季節別に見ると、「12月」と「1月」の2カ月で、1年間の半分以上を占めています。
正月前後のお餅による影響が大きいことがわかります。
餅による事故を防ぐための4つのポイント
東京都消防庁では、事故を防ぐための4つのポイントをまとめています。
- 餅は小さく切って、食べやすい大きさにしましょう。
- 急いで飲み込まず、ゆっくりと噛んでから飲み込みましょう。
- 乳幼児や高齢者と一緒に食事をする際は、適時食事の様子を見るなど注意を払うよう心がけましょう。
- いざという時に備え、応急手当の方法をよく理解しておきましょう。
特に、窒息している場合は、救急車の到着を待っていられません。家族による応急手当が必要です。
家族による応急手当が重要
東京都消防庁では、応急手当の方法として「背部叩打法(はいぶこうだほう)」を紹介しています。
この方法は、年齢や性別に関係なく行なうことができるという利点があります。
万が一に備えて、今から覚えておきましょう。
【背部叩打法の手順】
- 食べ物を詰まらせた人が立っているか座っている場合は、やや後方から片手で傷病者の胸もしくは下あごを支えて、うつむかせます。
- もう片方の手のひらの付け根で、傷病者の肩甲骨と肩甲骨の間を強く4~5回、迅速に叩きます。
- 回数にとらわれず、異物が取れるか、反応がなくなるまで続けます。