お墓も震災対策を考えよう
2017年1月17日は、阪神淡路大震災から22年目を迎えます。
震災は、住居だけではなく、生活のすみずみに大きな被害をもたらします。
例えば、阪神淡路大震災だけでなく、昨年の熊本地震の際も、お墓の墓石が倒れて損傷してしまう例が見られました。
この記事では、メモリアルアートの大野屋の協力により、同社の資料を活用して、お墓の震災対策を紹介します。
1978年から対策を開始
メモリアルアートの大野屋が、お墓の地震対策を始めたのは、1978年にさかのぼります。
この年の6月に「宮城県沖地震」が発生し、仙台市で震度5を記録しました。
この地震で、多くのお墓が倒れたことから地震対策が始まりました。
最初の震災対策は、棹石(一番上の墓石)が揺れるのを防ぎたいとの考えから、棹石と上台(上から2番目の墓石)の間に耐震用ステンレスピン(実用新案登録済)を入れました。
これにより1987年12月の千葉県東方沖地震(震度5)の時でも、耐震ピン施工済みのお墓は、棹石が横を向いたことはありましたが、横倒しになったお墓はありませんでした。
しかし、1995年1月の阪神・淡路大震災では、お墓が上下動する「飛び石」現象が確認されました。これでは、ピンの長さを超えて飛び上がってしまえば意味がなくなります。
そのため、お墓が飛び上がるのを防ぐのに、墓石を上から下まで強力な接着剤で一体化する方法が新たに開発されました。
メモリアルアートの大野屋の、現在の震災対策は、独自の『免震接着剤工法』によるものです。
これは、「メモリアル96EX10」という墓石施工専用のオリジナルの耐震性接着剤で、墓石の各部分を接着します。
耐震性試験では、振動台で再現された震度7の揺れにも耐えることが確認されています。
現在、メモリアルアートの大野屋が、新しくお墓を建てる時はすべて無償で、『免震接着剤工法』による震災対策が施されています。
すでにあるお墓でも震災対策ができる
すでに建っているお墓にも、免震接着剤工法を施すことができます。
現在は、関東、東海、関西地区で有料のメンテナンスメニューとして用意されています。
この場合、和型や洋型など墓石の形式は問いません。
なお、接着剤というと墓石への影響が心配になるところですが、これまでの12年で約5万件の施工実績があります。また、施工から10年後のサンプル調査においても、1件の異常も見つかっていません。
お墓の引っ越しのときにも検討を
震災による墓石の被害写真を見ていると、地盤から崩れてしまうことよりも、振動により墓石が倒れたりズレてしまう例が多いようです。
メモリアルアートの大野屋による接着剤による強化は、縦揺れ、横揺れのいずれでも墓石の倒壊をふせぐことができます。
既存のお墓に震災対策を施すことは、きっかけが難しいかもしれません。お墓の引っ越しや、古くなったお墓のメンテナンスを考えるときに一緒に震災対策をすることを検討してみましょう。