「介護事業」の倒産が増加。2000年以降で最多
[2017/1/13 00:00]
企業情報調査会社の東京商工リサーチが、2016年の「老人福祉・介護事業倒産」件数を発表しています。
2016年1月から12月までの倒産件数は108件でした。これは、2000年に調査を始めて以来で一番多く、これまで最多だった2015年(76件)の1.4倍にあたります。
倒産した事業者は、「従業員5人未満」が73%、「設立5年以内」が50%を占めており、小規模で設立間もない事業者が多くなっています。
業種別では、「訪問介護事業」が48件と多く、施設系のデイサービスを含む「通所・短期入所介護事業」が38件、「有料老人ホーム」が11件で続いています。
原因別では、「販売不振」が69件で一番多く、同業他社との競争の激しさが分かります。
また、倒産した会社の96%は事業が再建できず、消滅しています。
少子高齢化を背景に、老人福祉・介護事業は成長市場と目されていました。しかし、2015年4月の介護報酬改定と、介護職員の人手不足の慢性化により、厳しい経営状況が続いています。