大卒男子が一生に稼げるお金は「3億2千万円」
サラリーマンは一生にいくら稼ぐのか
毎月の給料の安さを感じた時に「自分は一生にいくら稼げるのだろう」と考えたことはありませんか。
この「一人の労働者が生涯にわたって得る賃金の総額」を「生涯賃金」と言います。
「生涯賃金」は公的な統計がありません。しかし試算を探したところ、労働政策研究・研修機構の公開資料に掲載されていたので、その一部を紹介します。
データやグラフの出典は、すべて労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計2016』です。
学歴別の生涯賃金
さっそく生涯賃金を見て行きましょう。
計算条件は、学校を卒業後、フルタイムの正社員を60歳まで続けた場合です。
ここでは、給与/賞与が対象で、退職金は含んでいません。
まず、男性から見てみましょう。
生涯賃金は、学歴によって大きな差があることが分かります。
- 大学・大学院卒:2億7千万円
- 高専・短大卒:2億1千万円
- 高校卒:2億1千万円
- 中学卒:1億9千万円
女性の場合も、学歴による差があります。
しかし、それ以上に男性との賃金水準の差があることが分かります。
- 大学・大学院卒:2億2千万円
- 高専・短大卒:1億7千万円
- 高校卒:1億5千万円
- 中学卒:1億3千万円
退職金と定年後の稼ぎ
上の数字は「退職金」と、「定年後に再雇用された場合の賃金」が含まれていません。
男性のみですが、この2つを含む生涯賃金も計算されています。
60歳で定年退職し、平均引退年齢である67歳まで非正社員として働くという前提です。
- 大学・大学院卒:3億2千万円
- 高校卒:2億4千万円
- 中学卒:2億2千万円
非正社員の生涯賃金
学校卒業後フルタイムの非正社員となり、そのままフルタイムの非正社員を続けた場合の60歳までの生涯賃金も計算されています。退職金は含んでいません。
だ
こちらも、男性から見ていきましょう。
見てわかるとおり、正社員に比べて生涯賃金が低くなっています。
一方で、学歴による差は正社員の場合ほど影響していません。
- 大学・大学院卒:1億5千万円
- 中学卒、高校卒、高専・短大卒:1億3千万円
女性は、男性よりも学歴が影響します。
- 大学・大学院卒:1億2千万円
- 高専・短大卒:1億1千万円
- 中学卒、高校卒:1億円
企業規模や時代でも生涯賃金は変化する
ここでは触れませんでしたが、勤務している企業の規模によって、生涯賃金は大きく変わります。
また、学校を卒業後、定年まで正社員で勤め続けることの難しさは、サラリーマンなら強く感じているでしょう。
さらに、下のグラフを見るとわかるように、生涯賃金自体が時代によって上下してます。
このように、いくつかの制約がありますが、自分の生涯賃金の目安を覚えておくことは大事なことです。
例えば、住宅の購入などの大きな出費をする際に、自分が生涯にいくら稼げるかという目安を知っていれば、その出費が正しいかどうか判断できます。
子供の進学や自分の転職の際にも、判断材料の1つとなるでしょう。