「人口減」と「高齢化」が避けられない2050年の東京
2050年の東京を想像する
「地方の過疎化」について語られる機会に比べて、東京の人口が話題になることは多くありません。
ここでは、2050年に向けて東京の人口がどのように変化していくのか、東京都の資料を使って見ていきましょう。
東京都の人口は1割減る
東京都の人口は、2017年1月の時点で「1,364万人」と推定されています。
しかし、2050年には「1,175万人」へ、約1割減少します。
首都東京であっても、日本全体の人口減の影響は避けられません。
一部の地域を除いて人口が減少する
500m四方のメッシュ単位で、地域ごとの人口の増減を見てみましょう。
地図を見ると、多くの地域では人口が減少して、赤く表示されます。
23区内であっても、人口が増えて、青く表示されているのは中央部と東部だけです。
多くの区は人口が減少して、赤く表示されています。
都下(市町村部)では、町田市や八王子市などの北多摩南部だけが増え、その他の地域は人口が減少します。
ごく一部の地域を除いて、人口の減少は避けられません。
都心部では高齢者が増える
今度は、65歳以上の高齢者人口について増減を見ましょう。
高齢者が増えているメッシュは赤く、減っているメッシュは青く表示されています。
地図を見ると、全域が赤く塗られています。特に都心部は真っ赤で、高齢者が増えることが分かります。
高齢者率が高くなる
これだけ高齢者人口が増えると、65歳以上の高齢者が人口に占める割合である「高齢化率」も高くなります。
2050年の高齢化率を見ると、多摩地区では50%を超える地域が多くなります。区部も例外ではなく、一部の区では45%を超えています。
現在の日本の高齢者率は過去最高の「27%」で、ほぼ4人に1人が高齢者です。しかし、2050年の東京は、ほぼ2人に1人が高齢者という社会になります。
東京でも、人口減と高齢化は避けられない
2050年までの東京都の人口について見てきました。
「東京」も、「人口減」と「高齢化」という大波の例外ではないということがわかります。
東京都は他県からの人口流入が多いという恵まれた条件にありますが、それでも人口減を補うことはできません。
さらに、東京都では一人暮らしの高齢者が多いという特徴があります。
「高齢者単身世帯数」の増加を赤で表示すると、23区内は真っ赤になります。
自分の老後を考えるときは、自分や周囲の人が一人暮らしになったときの生活についても、覚悟と準備をしておきましょう。