年齢が高いほど、自分の運転に対する自負が強くなる。80歳以上では72%が自信アリ
MS&AD基礎研究所が、「高齢者運転事故と防止対策」に関する調査の結果を公開しています。
この調査は、全国の男女1,000人のドライバーを年齢別に振り分け、インターネット上で行なわれました。
回答者の最高齢は94歳で、高齢者の本音が伺える調査結果となっています。
年齢が高いほど「運転に対して自信がある」
「運転に対する自信」を5段階で回答してもらい、「自信がある」と「自信がない」に整理してグラフ化しています。
「運転に自信がある人」は、「60歳~64歳」では38%に留まっていますが、年齢が高くなるに従って上がっていきます。「80歳以上」では72%の人が「自信がある」と回答しています。
逆に「運転に自信がない人」は、「60歳~64歳」では25%もいますが、「80歳以上」では5%に減っています。
「80歳以上」の58%は、運転免許証の年齢制限に反対
「運転免許証の取得に年齢の上限を設けるべきか」という質問に対して、現役世代は賛成が多く、高齢者は反対が多くなっています。
特に「80歳以上」では反対する人が58%に達しており、半数を超えています。
3人に1人は「運転中の注意散漫」を体験している
75歳以上のドライバーに限って、ヒヤリとしたり、ハッとした体験(ヒヤリハット)と、事故につながった危機の経験を聞いています。
【ヒヤリハット経験】
- 1位:運転中の注意散漫
- 2位 (見通しの問題で)信号や車、歩行者が見えなかった
- 3位:左折・右折時の歩行者や自転車との接触(巻き込み)
【事故につながった危機】
- 1位:ハンドル操作ミス
- 2位:運転中の注意散漫
- 3位:前を走る車や停車している車への追突(玉突き)
中には、3人に1人以上という高い確率で、体験している項目もあり、自動車の運転が危険に満ちた作業であることがわかります。
家族の意見や検査の結果も参考に
調査結果で明らかとなったのは、高齢者、特に「80歳以上」のドライバーが、自分の運転技術に対して持っている自信の強さです。
「80歳以上」の72%が「運転に自信あり」と回答していることに対して、MS&AD基礎研究所では、次のようにコメントしています。
多くは長年の運転経験と無事故継続の歴史がベースになっていると推測するものの、視力や反射神経等の身体能力の衰えは必ずあるはずで、この現実と自己認識のギャップは他の多くの調査や研究でも問題視されている。
実際に、「ハンドル操作ミス」や「運転中の注意散漫」など、一歩間違えれば大きな事故につながるような体験をした高齢者が多いことも分かりました。
やはり、ある程度の年齢に達したら、自分自身の判断だけではなく、家族の意見や、運転免許証更新時の検査なども参考にして、いつまで運転をするのかという判断をするべきでしょう。