国民の8割は、「自分は特殊詐欺には遭わない」と思っている
内閣府が「特殊詐欺(とくしゅさぎ)に関する世論調査」の結果を公開しています。
「特殊詐欺」とは、面識のない不特定の者に対し、電話その他の通信手段を用いて、預貯金口座への振込みその他の方法により、現金等を騙し(だまし)取る詐欺をいいます。
この調査は、層化2段抽出法によって選別んだ全国の18歳以上の国民3,000人を対象に、調査員によって個別に面接して聴取しており、単純なインターネットアンケートよりも信頼度の高い調査です。
「自分は被害に遭わないと思う」人が8割を越える
特殊詐欺に遭う可能性についての質問では、「自分は被害にあわないと思う」という回答が80.7%に達しています。
「自分は被害にあうかもしれないと思う」という回答は17.8%に留まっています。
なお、この比率は、全体でも65歳以上の高齢者でも、ほとんど変わりません。
国民の大多数は、特殊詐欺合わないという自信を非常に強く持っていることがわかります。
怪しい電話はすぐに切るから安心?
「特殊詐欺の被害に遭わないと思う理由」の1位は「知らない番号の電話には出なかったり,不審な電話はすぐ切るから」でした。
2位は「だまされない自信があるから」、3位は「いつも誰かに相談するようにしているから」でした。
「非通知電話拒否の設定」などの物理的な対策ではなく、心構えなどの心理的な対策が上位になっているのが特長です。
認識している手口
特殊詐欺して認識されている手口は、「オレオレ詐欺」が一番多く、90%を超えています。
以下、「還付金等詐欺」「架空請求詐欺」までは、70%を越える人が認識しています。
また、銀行振込以外に金銭を騙し取る手口としては、「現金を受け取りに来る」「現金を送らせる」「キャシュカードを受け取りに来る」「電子マネーカードの番号を要求する」の、いずれも50%以上の人が認識しています。
他人事だと思わずに、できるだけの対策を
アンケートを結果を見ていて感じるのは、「特殊詐欺は他人事で自分には関係ない」「自分だけは特殊詐欺に引っかからない自信がある」という意識です。
しかし、警察庁の統計を見ても、特殊詐欺の件数は減っていません。
年間で1万4千件以上の事件が起き、406億円の被害が発生しています。事件1件当たりの被害額は300万円を超えています。
電話に出る時は、「ひょっとしたら、自分も騙される可能性がある」という意識を持ちましょう。
そして、不審な電話などがあったら、全国共通の警察相談専用電話(#9110)、またはもよりの警察署へ相談しましょう。
付録:主な特殊詐欺の手口
特殊詐欺の被害を防ぐためには、手口についても知識が必要です。下記の基本的な手口については、良く覚えておきましょう。
- オレオレ詐欺
- 息子や孫などの親族をかたり、「会社の小切手が入ったカバンをなくした」、「会社のお金を使い込んだのがバレた」などと言って現金を要求する
- 還付金等詐欺
- 「医療費の還付金や年金の未払い金を受け取るにはATMでの手続きが必要」などとうそを言って、ATMを操作させ、現金を犯人の口座に振り込ませる
- 架空請求詐欺
- 「インターネットサイトの利用料が未納である」などと言って、架空の事実を口実として現金を要求する
- 金融商品取引名目の詐欺
- 架空又はほとんど価値のない有価証券などを紹介し、「必ず利益が得られる」と言って、購入料などの名目で現金を要求する
- 融資保証金詐欺
- 「好条件で融資をするので保証金が必要」などと言って現金を要求する
- ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺
- 「ギャンブルの必勝法を教える」と持ちかけ、情報提供料などの名目で現金を要求する
- 異性との交際あっせん名目の詐欺
- 異性との交際を持ちかけ、会員登録料などの名目で現金を要求する