「人生100年時代」の最大の不安は、やっぱり「お金」

[2017/3/24 00:00]

SMBC日興証券が運営する投資情報サービス 「FROGGY(フロッギー)」が「人生100年時代のお金についての意識調査」の結果を公開しています。

このアンケートは、インターネットで行なわれ、全国の20歳~69歳の男女625名が回答しています。

100年生きるという想定

アンケートのテーマとなっている「人生100年時代」は、『平均寿命が延びるこれからは、「100年生きる」ことを前提にして、生き方を考えなければならない』という考え方です。

「人生100年時代」は、英ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授が『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』という書籍で提唱しました。

この考え方を説明した上で、「人生100年時代が到来することに不安があるか」と質問すると、7割弱が「不安を感じる」と回答しています。

年代別では、50代では75.2%の人が不安を感じています。

出典:FROGGY

一番の不安は「お金」

「人生100年時代」に対する不安の1位は「お金(収入源や貯蓄の問題)」で、9割以上の人が挙げています。

2位は「健康寿命」、3位は「仕事」で、いずれも8割以上の人が挙げています。

出典:FROGGY

老後に必要な資金のイメージは曖昧

「老後(60歳~100歳)に必要な資金額のイメージ」という質問では「5,000万円~6,000万円」と「1億円~1億1千万円」の2つが同率1位でした。

3位は「1,000万円~2,000万円」でした。

SMBC日興証券が想定している「実際に老後に必要となる金額」は、一人当たり約5,000万円なので、意外と良い線の予想をしている人が多いようです。

しかし、極端に大きい金額や小さい金額を挙げている人も多く、老後に必要な資金に対するイメージが曖昧であることが分かります。

出典:FROGGY

「老後に必要な資金5,000万円」説の根拠

SMBC日興証券が「実際に老後に必要となる金額」としている「5,000万円」という金額の根拠は、次のような想定です。

『夫60歳、妻55歳の夫婦世帯の1カ月の生活費を約27.6万円、妻一人の1カ月の生活費を約15.6万円、夫婦二人の期間を24年、妻一人の期間を13年と想定すると、老後に必要な総額は夫婦2人で約1億400万円となる。一人当たりでは約5,000万円』
金額などは、政府の調査を基にしているので、比較的妥当な金額で、一つの参考として良い金額でしょう。

なお、この金額には、年金や退職金が含まれていませんから、自分で用意する金額はもっと少なくなります。

個人差はありますが、一般的なサラリーマン家庭であれば、この金額の4割~5割程度は年金や退職金でまかなえると考えて良いでしょう。

100年はともかく、日本人の平均寿命は男性が「80.75年」、女性が「86.99年」となっており、いまだに伸び続けています。

資金を準備することとともに、できるだけ長く働くことも考えてみましょう。

[シニアガイド編集部]