「必ず儲かる」を信じた仮想通貨のトラブルで平均250万円の被害
国民生活センターへの相談が急増
国民生活センターが、「仮想通貨の購入トラブル」について警告を発しています。
国民生活センターに寄せられた仮想通貨に関連する相談件数は急増しており、2016年には634件に上りました。
このうち303件は、すでに現金を支払ってしまっています。
支払った金額は「10万円以上50万円未満」の人が多いのですが、「500万円以上」という人もいるため、平均金額は約250万円に達しています。
相談の内容は、次のようなものです。
- 【事例1】知人から「5倍以上の価値になる」と誘われ仮想通貨を購入したが、約束通りにお金が戻ってこない。
- 【事例2】知人から「半年で価格が3倍になり、販売元が全て買い取る」と言われて仮想通貨を購入したが、言われたとおりに買い取ってもらえない。
- 【事例3】セミナーに参加し、「1日1%の配当がつく」と言われて仮想通貨を預けたが、説明通りに出金できない。
これらの被害を防ぐために、国民生活センターでは、次の4点をアドバイスしています。
- 仮想通貨交換業の登録業者かどうかを確認してください
- 「必ず儲かる」という言葉はうのみにせず、リスクが十分に理解できなければ契約しないでください
- 仮想通貨の特性や実体、契約内容がよく分からなければ、契約を断ってください
- 少しでも不安を感じたら、すぐにお近くの消費生活センター等に相談してください
以下、アドバイスの内容を、少し説明します。
仮想通貨交換業の登録業者かどうかを確認
「改正資金決済法」が施行された2017年4月1日以降は、金融庁に「仮想通貨交換業者」の登録をしなければ、国内で資金決済法上の仮想通貨と法定通貨との交換サービスを行なうことができなくなりました。
相手が、「仮想通貨交換業の登録業者である」ことを確認しましょう。
リスクが理解できなければ契約しない
仮想通貨は、インターネット上で自由に取引することができ、その価格も変動するものが多いため、将来必ず値上がりするという保証はどこにもありません。
「値上がりする」「高配当がつく」などと言われ、必ず儲かるかのように説明されても、うのみにしてはいけません。
その投資のリスクが、自分で理解できなければ、お金を出してはいけません。
仮想通貨の特性や実体がわからなければ契約しない
仮想通貨は数多く存在し、取引におけるリスクなどの特性は、仮想通貨ごとに異なります。
また、仮想通貨はインターネット上で自由に取引されるため、その実体を確認することは難しい場合があります。
トラブルになった例でも、知人から勧誘されて契約内容がよく分からないまま契約してしまったケースがありました。
仮想通貨そのものや、契約内容がよく分からないのであれば、契約を断りましょう。
少しでも不安を感じたら相談を
仮想通貨の購入等でトラブルにあった場合や、少しでも不安を感じた場合には、すぐに消費生活センター等に相談してください。
電話の場合は、消費者ホットライン「188(いやや!)」にかけると、地元の消費生活センター等を案内してくれます。