2065年の日本の人口は「8,808万人」に減少する
国勢調査を基にした新しい推計
国立 社会保障・人口問題研究所が、日本の人口について新しい推計を発表しました。
新しい推計は、平成27年国勢調査の確定数が発表されたことを受けて再計算されたものです。
推計は、上位、中位、下位の3つのケースが発表されていますが、ここでは中位仮定の結果を紹介します。
1億2千万人から8千8百万人に人口が減る
約50年後の「2065年」の日本の人口は「8,808万人」と推計されています。
2015年現在の「1億2,709万人」という人口から、大きく減少していますが、それでも以前の推計よりは減少の幅が小さくなりました。
これは、近年の30代~40代の出生率が上昇したことが影響しています。
また、高齢化の進行度合いも緩和されました。
2065年時点の65歳以上の高齢者の割合も「38.4%」で、以前の推計の40.4%を下回っています。
これに伴って、生産年齢人口(15~64歳)と、老年人口(65歳以上)の割合も、少し改善されました。
しかし、多くの高齢者を、少数の現役世代が支える状態は変わっていません。
2065年時点の平均寿命は、男性84.95歳、女性が91.35歳と想定されています。これは、2015年時点の、男性80.75歳と女性86.98歳に比べて大きく伸びる予想です。
出生率の上昇が変化の理由
1人の女性が一生に産む子供の平均数である「合計特殊出生率」は、今回の中位推計では「1.44」とされています。
現在、政府が目標としている合計特殊出生率は「1.80」ですが、これが実現できた場合は、2065年の人口は「1億45万人」、高齢者の割合は「33.7%」となります。
ただし、今回の推計でもっとも楽観的な高位推計でも、合計特殊出生率は「1.65」とされており、「合計特殊出生率1.80」という数字が、きわめて高い目標であることは間違いありません。
また、先進国において、現在の人口を維持し続けるためには、合計特殊出生率は2.07が必要とされています。1.80という目標が実現できたとしても、日本の人口が減少していくことは間違いありません。