都市住民の30%は、農山漁村へ移住したいと思っている!?

[2017/4/14 00:00]

地方への関心を探るアンケート

総務省が「都市部の住民の農山漁村に対する関心の意識調査」の結果を公開しています。

この調査は、東京都23区および政令指定都市に在住する住民にインターネットアンケートを行なったものです。

20歳から64歳の男女3,116人が回答しています。

アンケート中には、「農山漁村地域」という言葉が出てきますが、これは「都市部から離れており、周辺に農地や山林、海岸等の自然豊かな環境が広がる地域」とされています。

移住の意思がある人は「30.6%」

「農山漁村に移住してみたいと思いますか」という質問に、「移住したいと思う」という回答は「30.6%」もありました。

ただし、「移住する予定がある」は0.8%、「いずれは移住したいと思う」は5.4%しかありません。

移住の意向がある人の多くは「条件が合えば移住してみても良いと思う」でした。30.6%のうちの24.4%を占めています。

年代別で面白いのは、60代男性が「移住する予定がある」が0.6%、「いずれは移住したいと思う」が3.8%と積極的なのに対して、60代女性は「移住する予定がある」は0.0%、「いずれは移住したいと思う」も14.0%と消極的なことです。

60代女性は「移住したいとはまったく思わない」という人が「55.4%」と過半数を占めており、移住に対してもっとも否定的な年代となっています。

出典:総務省

移住の具体的な時期は考えていない

「どのようなタイミングで移住を実現したいですか」という質問には、「具体的な時期は考えていない」という回答がもっとも多く、「32.9%」と、ほぼ3分の1を占めています。

次に多い回答は年代ごとに特色が出ています。

20代と30代は「条件が整えばすぐにでも」、40代は「子育てが終わったら」、50代は「退職したら」、60代は「配偶者との離別、死別など家族構成に変化があったら」でした。

血気にはやる若い層に対して、40代以上はいろいろな事情を感じさせる回答となっています。

出典:総務省

移住しても「ずっと暮らしたい」という人は少ない

「移住した場合、移住先ではどのぐらい住む予定ですか」という質問には、「ライフステージの各段階で、その時々の条件に合う地域を選んで移り住みたい」という回答が一番多くなっています。

つまり、移住先の地元にしてみれば、せっかく移住してくれても、いつまで居てくれるか分からないというわけです。

ただし、「ずっと暮らしたい」という人も、「23.2%」と4分の1近くいます。

出典:総務省

移住に必要なのは「生活が維持できる仕事」

「農山漁村に移住する上で必要な条件は何ですか」という質問で、圧倒的に多い回答は「生活が維持できる仕事があること」で、55.8%と半数を超えています。

やはり生活を支えるための収入源の確保は気になるところです。

次に多いのは「病院や診療所、介護施設など医療・福祉の環境が整っていること」で、12.2%でした。特に、女性が重視しています。

3番目は「買い物や娯楽などの日常生活に必要なサービスや生活関連施設があること」で、9.3%でした。

まとめると、必要条件の上位3つは、「仕事(収入)」と「医療・福祉」と「買い物・娯楽施設」になります。

いずれも農山漁村自身が悩んでいる問題であり、なかなか三拍子揃った移住先を見つけることは難しいと思われます。

出典:総務省

不安と不便の解消が有効か

移住後の居住期間の質問に対して、興味深い回答が2つありました。

それは「自分または配偶者が日常的に介護・医療サービスが必要となるまでは暮らしたい」と「子供の進学などで住み続けるのが難しくなるまでは暮らしたい」というものです。

つまり、移住をまじめに考えた場合、「医療・福祉」と「教育」については、移住先で手に入れることは難しいだろうと予想しているのです。

一番多い回答である「ライフステージの各段階で、その時々の条件に合う地域を選んで移り住みたい」の裏にも、移住先では医療をはじめとする社会的サービスを受けることが難しいだろうという判断があるのでしょう。

移住者を勧誘する地方自治体では、補助金や住宅の供与などの施策が行なわれていますが、実は「医療・福祉」や「買い物」などの不安と不便の解消に努めるという、地元住民にも役に立つ施策の方が有効かもしれません。

[シニアガイド編集部]