一人暮らしの男性高齢者の46%は「貯金が無い」
高齢者の暮らし向きに関する国の調査
内閣府が「高齢者の経済・生活環境に関する調査」の結果を公開しています。
この調査は、2017年6月に全国の60歳以上の男女2,920人を対象に行なわれ、1,976人の有効回答数を得ています。
今回は、「高齢者の貯金」について見ていきます。
貯金がない人が意外に多い
調査の中に、「あなたは、どういう目的で貯金をしていますか」という質問があります。
一番多い回答は、「病気や介護が必要になったときなど、万一の場合の備えのため」でした。47.5%の人が挙げています。
ある意味、予想通りの回答です。
しかし、次に多い回答は「貯金はない」で、22.7%の人が挙げています。
男女別で見ると、男性のほうがやや多いのですが、あまり差がありません。
年齢が高くなると貯金がない人が増える
もう少し、詳しく年齢別に見てみましょう。
男女とも、年齢が高くなると「貯金がない」人が増えていきます。
ある程度の年齢になると、働く機会が減って収入が年金だけになることから、手持ちの貯金を取り崩す機会が増えるのでしょう。
一人暮らしの男性の半分近くは貯金がない
さらに調べてみると、男性の一部では「貯金がない」人が、とても多いことが分かりました。
一人暮らしの男性の「46.2%」は、貯金がないのです。
同じ一人暮らしでも、女性の場合は貯金がない人は「30.8%」に留まっています。男性の一人暮らしは「貯金ができない」傾向が強いことが分かります。
離婚した男性や未婚の男性は注意を
同じ配偶者がいない男性でも、その理由によって「貯金がない」割合が異なります。
「貯金がない」率が高いのは「既婚(離別)」つまり、離婚した男性で「47.4%」でした。
次が「未婚」で、「37.5%」です。
同じ男性単身者でも「既婚(死別)」の場合は、32.8%に留まっていますから、お金の使い方などのライフスタイルが異なるのでしょう。
離婚や未婚で、単身で暮らしている男性高齢者は、貯金がしにくい傾向がくっきりとしています。
女性の場合も、単身で暮らしていると「貯金がない」人の割合が平均よりも多くなっています。
心当たりのある人は、自分の将来に向けて、貯金ができるライフスタイルの確立をめざしましょう。