「アフィリエイト」は手軽で儲かる副業か

[2017/5/2 00:00]

「儲かる」イメージがある「アフィリエイト」

「アフィリエイト」は、インターネット広告の1つで、「成果報酬型」とも言います。

アフィリエイトには、手軽にできて儲かる副業というイメージがあり、「アフィリエイトで儲けよう」という趣旨のサイトやブログがたくさんあります。

実際に、最大手のアフィリエイトサービス業者である「A8.net」のトップページには、「個人会員の月間報酬金額」として、「1位:813万円、2位:659万円、3位:449万円」という高額な報酬額が記されています(2017年4月時点)。

そんなに儲かるものであれば、もっとみんながやっていそうなものです。

アフィリエイトでいくら儲かるものなのか、過去の調査結果を探してみました。

なお、アフィリエイトの仕組みについては、記事の最後にまとめてあるので、興味のある方はお読みください。

アフィリエイトによる収入についての2つの調査

まず、アフィリエイト業界の任意団体である「日本アフィリエイト協議会」の調査結果です。

この調査は「アフィリエイト市場調査2015」という名前で、2016年3月に公開されています。

調査はインターネットで行なわれ、アフィリエイター500人が参加しています。

出典:日本アフィリエイト協議会のデータを基に編集部が作成

「月額のアフィリエイト収入」という設問で、一番多い回答は「収入はない(0円)」でした。

全体の35.8%を占めています。

次に多いのは「1,000円未満」で、34.4%でした。

つまり、月額のアフィリエイト収入が1,000円に満たない人が、全体の70%以上を占めています。

次に、A8.netを運営する「ファンコミュニケーションズ」による調査結果です。

こちらは、2,000人を対象に行なわれ、2014年7月に公開されました。

「アフィリエイトでの月間平均収入」という設問で、一番多い回答は「0円~千円未満」で、全体の54.1%を占めています。

次に多いのは「千円~5千円未満」で18.7%でした。

この調査でも、月額のアフィリエイト収入が5,000円に満たない人が、全体の70%以上を占めています。

2つの調査結果から見ると、「アフィリエイトをやっている人の7割以上は、アフィリエイトによる収入が数千円止まりで、0円の場合も多い」と言えます。

出典:ファンコミュニケーションズのデータを基に編集部が作成

月に30万円以上稼ぐ人はいるが、全員ではない

しかし、アフィリエイトが全然儲からないというわけではありません。

日本アフィリエイト協議会の調査では、「3万円以上」という回答が4.0%います。

そして、ファンコミュニケーションズの調査では、「30万円以上」という回答が2.9%います。

つまり、「アフィリエイトで儲けることは不可能ではないが、すべての人にそれができるわけではない」というわけです。

アフィリエイトで儲けるためには、次の2つが必要となります。

  • ブログを読みに来てくれる読者を集める
  • 読者が記事を読んで商品やサービスを購入してくれるような、良い記事を書く

そのための具体的な手段については、ここでは触れませんが、時間と手間が必要であることは間違いありません。

日本アフィリエイト協議会の調査によれば、アンケートの回答者は、「平均3.5個のサイトを運営し、1日1.3時間と、月に1,000円未満の経費」を掛けています。

これが「月に3万円以上の収入がある」人に限ると、「4.0個のサイトを運営し、1日3.9時間と、月に5千円~1万円の経費」を掛けています。

つまり、アフィリエイトで儲けている人は、それなりの時間と経費を費やしていることが分かります。

どんな仕事も同じですが、アフィリエイトも簡単な仕事ではなく、儲けるためには努力が必要ということでしょう。

アフィリエイトの仕組み

最後に、アフィリエイトの仕組みについて、簡単に紹介しましょう。

「アフィリエイト」とは成果報酬型の広告システムです。

ブログやWebサイトを持っている個人や法人が、自分のサイトで広告商品を紹介する記事を掲載します。

ブログの読者は、その記事を読んで共感すれば、用意されたリンクから広告主のサイトへ飛んで、物品やサービスを購入します。

購入が行なわれると、その「成果」に対して、広告主が「報酬」を支払います。

実際には、広告を掲載した人と、広告主の間に、アフィリエイトを仲介する業者が入っています。

出典:消費者白書(2016)
[シニアガイド編集部]