一般家庭の借金の9割は「住宅ローン」が占めている
一般家庭の負債は平均「507万円」
総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)」という調査によれば、2人以上の世帯の借金の平均は「507万円」でした。
このうちの9割は、住宅ローンが占めています。
ほとんどの家庭において、「借金=住宅ローン」となっているのです。
現役世代の5割はローンを抱えている
さきほど、借金の平均は「507万円」と言いましたが、これは借金がない人も含めた、すべての家庭の平均です。
では、現役世代に限ると、どれぐらいの金額の負債を抱えているのでしょう。
2人以上の勤労者世帯についてみると、借金がある割合は「53.9%」で、負債の現在高の平均は「1,449万円」でした。
現役世代の約半分は、かなりの金額のローンを抱えていることがわかります。
住宅ローンが終わると、貯金が2倍に増える
持ち家がある勤労者世帯という同じ条件でも、住宅ローンがあるかないかで、経済状態は大きく変わります。
住宅ローンを返済中の家庭では、貯蓄よりも負債の方が多くなっています。
住宅ローンの返済がない家庭では、大きな負債が無くなり、貯金の残高は2倍以上に増えています。
逆に言えば、住宅ローンが家庭にとって、大きな負担であることが分かります。
住宅ローン返済のシナリオ
住宅ローンの返済は、どんなシナリオで行なわれているのでしょう。
負債がある家庭の割合と負債の金額のデータから、次のように想像できます。
多くの人は、30代のうちに、その時点の貯蓄を越える住宅ローンを組みます。
40代で住宅を購入する人もいるので、住宅ローンを抱える割合は、40代がピークになります。
50代になると、住宅ローンの返済が終わる人が出てきます。
多くの家庭は、60代のうちにローンの返済が終わり、負債のある人は2割になります。
さらに、70代になると負債がある人は全体の1割に下がります。
この推移を見ると、60歳~65歳の定年をめどに、住宅ローンの返済が終わるように、心がけている人が多いことが分かります。
定年前の完済をめざそう
ここまで見てきたように、現役世代にとって、住宅ローンが一番大きい借金です。
一方で、住宅ローンさえ終われば、その分を貯金に回すことができるようになります。
それが無理な場合でも、少なくとも退職時に住宅ローンが残っていて、退職金の一部を返済に充てることは避けましょう。
退職前に住宅ローンが終わっていれば、退職金を、まるごと生活費に充てることができます。
住宅ローンの返済をコントロールすることが、そのまま老後の安心感につながるのです。