日本の夕食から「白ご飯」と「漬け物」が消え始めている
18~69歳の女性の夕食を調査
調査会社のリサーチ・アンド・ディベロプメント(R&D)が、「女性の夕食が変化している」というレポートを公開しています。
これは、毎日1,000サンプルずつ行なっている独自調査のデータを基に、18~69歳の女性における過去5年間の夕食メニューについて分析したものです。
白飯と漬け物が減少
夕食で、よく食べるメニューの上位5位は、「白ご飯(白飯)」「サラダ」「みそ汁などの汁物」「野菜の煮物/おひたし」「漬け物」で変わっていません。
しかし、5年間の推移を見ると、「白ご飯」と「漬け物」は減少し、「サラダ」が増加しています。
50代~60代で大きく減る
「白ご飯」「漬け物」について、夕食で食べる回数を年代別に見てみましょう。
すると、年齢が高いほど、減少幅が大きいことが分かりました。
特に、「白ご飯」「漬け物」をよく食べる、「50代」と「60代」において、大きく減っています。
一方、「40代」以上では、「サラダ」を食べる人が増えています。
「炭水化物抜きダイエット」と「塩分」の影響が大きい
これらの傾向についてR&Dでは、次のように分析しています。
コメの消費量が減ってきているということは周知の事実ですが、夕食というシーンで切り取っても白ご飯が食卓に上がる回数は確実に減ってきています。年代別にみると、若者だけでなくシニアでも白ご飯離れが進行しています。白ご飯だけでなくパスタなども減ってきていることから、理由としては最近の炭水化物抜きダイエットの影響が大きいと考えられます。
他に減ってきたメニューでは、白ご飯との相性がよい漬け物の減少が目立ちます。若者が漬け物をあまり食べないことは理解できますが、シニアの減少幅が大きいことに驚きます。
漬け物が減ってきている理由としては、味の好みだけではなく、塩分の多さ、漬けることの手間など複合的な問題がありそうです。
漬け物の利点として「野菜を多く取れる」「発酵食品のため体に良い」といったことをよく耳にしますが、野菜をたべるならサラダ、発酵食品を食べるなら納豆やヨーグルトに代替されていることがデータから読み取れます。
減少率からみると近い将来、夕食から漬け物がなくなってしまうような減少ペースに思えますが、漬け物好きな層が一定数は残ると考えられます。
しかし、夕食に限って言えば現40代の食卓での出現率は10%未満、30代以下は5%未満となっていますので、このままのペースでいくと10年後20年後に漬け物が食卓を占めるシェアは非常に小さくなると予想され、高齢化や個食化に対応した容器・容量や、新規獲得のための新たな価値提案が求められます。