毎年数千人が救急車で運ばれている「熱中症」の特徴
6月から9月は、熱中症の症状が出やすい時期です。
6月に入ったら暑い夏に向けて、熱中症に対する備えを始めましょう。
ここでは、東京消防庁の資料を基に、熱中症になりやすい状態と、その対策を紹介します。
都内だけでも、毎年数千人が救急車で運ばれている
東京都では、毎年3千人~5千人ほどの人が、熱中症によって救急車で病院に搬送(はんそう)されています。
幸い、2016年は、暑さが厳しくなかったため2,819人に留まりましたが、2017年は暑い夏が予想されているので、気を緩めてはいけません。
7月と8月がピーク
熱中症による救急搬送が多いのは、6月~9月ですが、特に7月と8月に多くなっています。
11時~16時が危ない
救急搬送を時間帯別に見ると、11時~16時が多くなっています。
気温が上がる日中に、熱中症になりやすいことが分かります。
気温が26℃を超えると危ない
気温が26℃を超えると救急搬送が増え始め、28℃~31℃がピークとなります。
気象庁の用語では、日中の最高気温が25℃以上の日を「夏日(なつび)」、30℃以上の日を「真夏日(まなつび)」、35℃以上の日を「猛暑日(もうしょび)」と呼びます。
天気予報で、これらの言葉が使われている日は、熱中症に注意しましょう。
湿度が高いと危ない
熱中症の予防で、気温と並んで重要なのが「湿度」です。
同じ気温でも、湿度の低い日は、救急搬送が少ないことがわかっています。
逆に気温が24℃でも、湿度が88%と高いと救急搬送が多くなります。
縦軸に気温、横軸に湿度を取ってグラフ化すると、「気温24℃/湿度88%」から「気温34℃/湿度50%」の範囲が、救急搬送が多くなります。
室内には温度計だけではなく、湿度計も備えて、ときどき見る習慣をつけましょう。
高齢者が危ない
救急車で運ばれた人の年齢を見ると、「60代」から増え始め「70代」と「80代」が多くなっています。
高齢者層ほど、熱中症に注意が必要であることが分かります。
高齢者以外では、スポーツなどで暑い場所で活動することが多い「10代」が多くなっています。
自宅が危ない
熱中症になった場所では、「自宅などの住居」が1番多く、40%以上を占めています。
熱中症は、屋外で活動しているときになりやすいイメージがありますが、実は、自宅などの屋内も危険地帯なのです。
暑さを避け、水分補給を
熱中症にかかりやすい状況になったときには、どのように予防すれば良いでしょう。
厚労省のリーフレットでは、次の3点を挙げています。
- 暑さを避ける
- 体を冷やす
- こまめに水分を補給する
具体的な対策としては、次の点に気をつけましょう。
- エアコン/扇風機を使って室温を調整する
- 通気性の良い、ゆるやかな服装をする
- 水や塩分を定期的に摂取する
特に節電を心がけるあまり、エアコンを使用せずに熱中症になり、救急搬送される例が、毎年複数報告されています。
室内に温度計と湿度計を備えて、一定の気温と湿度になったら、適切に使うことを心がけましょう。