夏は海の事故が増える季節。プレジャーボートによる事故に注意
7月と8月は小型船舶による事故が多い
海上保安庁が、夏に向けてプレジャーボートの事故防止を呼びかけています。
ここでは「プレジャーボート」は、モーターボートや水上オートバイ、クルーザーなどの総称として使っています。
プレジャーボートの事故は夏に多く、7月と8月の2カ月間で、年間の事故の3割以上が発生しています。
事故が多い船種
2012年から2016年の5年間で、7月と8月に発生したプレジャーボートの事故は「1,104隻」でした。
事故が多いのは、「モーターボート」「水上オートバイ」「クルーザーボート」の順で、この3つで全体の7割を占めます。
「機関故障」と「衝突」が多い
同じプレジャーボートでも、船種によって、発生しやすい事故が異なります。
モーターボートとクルーザーボートを合わせた「ボート」の事故で多いのは「機関故障等」でした。具体的には、バッテリーの過放電や燃料フィルターの詰まり、燃料切れなどによって、エンジンが止まり動けなくなります。
一方、「水上オートバイ」で多いのは「衝突」でした。
スピードの出しすぎなどの危険な運転や、見張りを怠ったことが原因で、船や物にぶつかってしまいます。
この2つに浅瀬や定置網などに乗り上げてしまう「乗揚」の3つが、プレジャーボートで多い事故の代表格です。
ボートの操船者は「60代」、水上オートバイは「30代」が多い
「ボート」と「水上オートバイ」では、事故の際に操船していた人の年齢も異なります。
ボートでは、「60代」「50代」「40代」の順に多く、この3つで全体の7割を占めます。
「水上オートバイ」では、「30代」「40代」「20代」の順に多く、この3つで全体の9割を占めます。
プレジャーボートに乗っていなくても注意が必要
ここまでプレジャーボートによる事故の状況を見てきましたが、「自分はプレジャーボートに乗っていないから大丈夫」というわけではありません。
特に、沿岸を航行することが多い水上オートバイでは、衝突事故の相手の41%が「人」です。
そして、バナナボートなどの「被引付帯遊具」と「遊泳中」の事故が多くなっています。
海辺で遊泳や水遊びを楽しむ際は、水上オートバイなどのプレジャーボートに注意を払いましょう。