携帯電話の平均使用年数は「4.4年」、冷蔵庫は「13.2年」
耐久消費財の買い替えに関する調査
私達の身の回りには、携帯電話やテレビ、洗濯機や冷蔵庫など、さまざまな耐久消費財があります。
これらの機器は、ある程度の期間使われると、新しい製品に買い換えられます。
では、具体的には、何年ぐらいの間隔で買い換えられているのでしょう。
内閣府が公開している「消費動向調査」のデータを使って調べてみました。
今回使用した調査は2017年3月に行なわれたもので、「2016年4月から2017年3月」までの1年間に行なった買い替えを対象としています。有効回答数は5,746でした。
「携帯電話」は買い替え率が高い
買い替えを行なった人の率を機器別にみると、「携帯電話」が20.4%で1位でした。
たった1年間で、5人に1人が買い替えていることになります。
白物家電、パソコン、自動車などの買い替え率は5~7%程度です。
買い替え頻度が低いのは、「光ディスクレコーダー」「デジタルカメラ」「ビデオカメラ」などです。
「携帯電話」は4.4年で買い替えている
買い換える前に使っていた機器の平均使用年数を短い順に見ると、こちらも「携帯電話」が1位でした。
携帯電話は、平均で4.4年使うと買い替えています。
「デジタルカメラ」「パソコン」「光ディスクレコーダー」など、デジタル系の家電は6年前後です。
「掃除機」「自動車」「テレビ」などは8年~10年程度です。
平均使用年数が長いのは「電気冷蔵庫」と「エアコン」で、平均で13年以上も使用されています。
「故障」以外の理由で買い換えられる製品
どうして「携帯電話」は、使用年数が短く、頻繁に買い換えられているのでしょう。
「買い替えの理由」から考えてみましょう。
耐久消費財の買い替えの理由として、一番多いのは「故障」です。
例えば、「電気洗濯機」の場合、買い替え理由のうち「故障」が80%を超えています。
残りの20%は「上位機種への乗り換え」「引っ越し」「その他」ですが、いずれも1桁台に留まっています。
「電気洗濯機」に代表される家電は、生活を支える実用品と考えられていて、故障で動かなくなるまで買い換えられません。
しかし、「携帯電話」では事情が異なります。
買い替えの理由として「故障」を挙げている人は38.8%しかありません。
次に多い「上位機種への乗り換え」の36.5%と、ほぼ並んでいます。
携帯電話は、ガラケーからスマホへの変化や、通信技術の進歩、ディスプレイの高精細化など、まだ使用できるのに買い替えたくなる動機があるのでしょう。
また、「携帯電話」は、単なる実用品ではなく、趣味や嗜好の表現でもあり、思い入れの対象でもあります。
そういう商品の特性が、買い替え間隔の差につながっているのでしょう。
このような特性がもっと極端に出ているのが「自動車」で、「故障」が理由で買い換える人は25.5%しかいません。
多くの人は、「同じ車種の新型への乗り換え」や「上位機種への乗り換え」、「家族構成の変化による車種の乗り換え」などの理由で買い替えているのです。
「携帯電話」と「自動車」は、実用性も重要な商品ですが、それ以上の意味があるため、買い替えを考える機会が多い商品なのです。