留守宅を狙う「空き巣」は、一戸建てとアパートを好む
家に侵入する泥棒たちの手口
住宅や事務所などの建物に勝手に入って、お金や物を盗む犯罪を「侵入窃盗」と言います。
侵入窃盗は、被害に遭いやすい身近な犯罪です。
ここでは、警察庁のレポートを基に、最近の侵入窃盗の傾向について紹介しましょう。
事件の数は、10年前の半分に減っている
2016年に、個人の住宅で発生した侵入窃盗事件の件数は「4万4千件」でした。
10年前の2007年は「10万6千件」でしたから、10年前の半分以下に減っています。
留守宅を狙う「空き巣」が多い
「侵入窃盗」には、主に3つの手口があります。
- 空き巣:留守宅に侵入する
- 忍び込み:就寝中に侵入する
- 居空き:在宅中に侵入する
「空き巣」が一番多く、全体の60%を占めます。
「忍び込み」が20%、「居空き」は少なく5%ほどです。
つまり、窃盗事件が起きる機会としては、「留守宅」が一番多く、「就寝中」と「在宅中」がそれに続くことが分かります。
「空き巣」は一戸建てとアパートを好む
ここからは、一番多い「空き巣」の特徴を見ていきます。
まず、「空き巣」は家の種類を選びます。
2016年に起きた「空き巣」の件数は2万7千件ですが、そのうち1万7千件は「一戸建て住宅」で発生しています。
ただし、「一戸建て」住宅は多いので、これだけで「一戸建て」が空き巣に遭いやすいとは言えません。
お互いに比較できるように、「10万世帯当たりの事件件数」で見てみましょう。
「空き巣全体」では、10万世帯のうち「51件」が被害に遭っています。
しかし、「一戸建て」では「60件」、「3階建て以下共同住宅」では「61件」、「4階建て以上共同住宅」では「19.9件」でした。
つまり、「一戸建て」と「3階建て以下」のアパートが多く、「4階建て以上」のマンションでは、その3分の1になっています。
一戸建ては「ガラス破り」が多い
「空き巣」が侵入する際は、主に5つの手口があります。
- 窓のガラスを割る「ガラス破り」
- 鍵がかかっていない戸や窓から入る「無締り」
- バールのような工具で鍵を壊す「ドア錠破り」
- 戸を外して侵入する「戸外し」
- 合鍵や工具を使って鍵を開ける「施錠開け」
「一戸建て」では、「ガラス破り」が、「3階建て以下共同住宅」と「4階建て以上共同住宅」では「無締り」が多くなっています。
「ガラス破り」と「無締り」が、現在の代表的な手口と言えるでしょう。
特に「無締り」は多く、空き巣は、鍵をかけていない、またはかけ忘れた戸や窓から侵入していることが分かります。
また、空き巣以外の「忍び込み」と「居空き」でも、一番多い侵入手段は「無締り」です。
そのため、侵入窃盗を防ぐ第一歩は、「確実に鍵をかける」ことにあります。
その上で、窓ガラスを割りにくくする防犯フィルムや、補助錠などの防犯器具の導入を検討しましょう。