ドライアイスは「触らない」「密閉しない」「風通しの良い場所で扱う」
ドライアイスは危険な物質
消費者庁が、ドライアイスによる事故を受け、取り扱いについて注意を呼びかけています。
ドライアイスは、二酸化炭素が固体になった物質です。
ドライアイスは、氷よりもずっと冷たく、溶けて気化したときには膨張するため、取り扱いには注意が必要です。
ここでは、ドライアイスの取り扱いに関する3つの注意を、事故の実例とともに紹介します。
ドライアイスに直接触らない
ドライアイスは、マイナス78.5℃という低温の物体なので、直接触ると凍傷を起こします。
絶対に素手では触らず、厚手の手袋を使用します。
冷凍食品が入った宅配用の保冷容器を開けるときは、最初にドライアイスの有無を確認しましょう。
とくに子供がいるときは、ドライアイスに触ったり、口に入れたりしないよう注意します。すぐに子供の手の届かないところに片付けましょう。
【事例1】シャーベットの上に置いてあった袋の中にドライアイスが入っているとは知らず、素手で触ってしまい、手が痛くなった。注意喚起の表示があったが分かりにくかった。(60代女性)
【事例2】宅配の冷凍食品を袋に入れて渡された。中に白い塊があったので氷だと思ってつかむとドライアイスだった。手が赤くなり痛くなった。(30代女性)
密閉容器には絶対入れない
ドライアイスは空気中ですぐに気体化し、その体積が約750倍に膨張します。
密閉した容器にドライアイスを入れてフタをすると、容器自体が破裂します。
ドライアイスを、ペットボトルやビンなどに入れてはいけません。
【事例3】スーパーでアイスクリームを購入し、保冷用のドライアイスをビニール袋に入れて持ち帰ったら破裂した。(不詳)
【事例4】ドライアイスを使った実験で、生徒がドライアイスをペットボトルに入れて蓋を閉めた。膨張したペットボトルがロケットのように爆発して、本生徒の右目上部に直撃した。(10代男性)
換気が不十分な所では取り扱わない
ドライアイスは気化すると二酸化炭素になって、低い場所に溜まります。
換気不十分な所で、ドライアイスが気化すると酸素が足りない状態になって、意識障害を引き起こします。
自動車の車内や、密閉した部屋など十分に換気ができない場所では、ドライアイスを扱わないようにしましょう。
【事例5】機械の冷却用として使うドライアイスをワゴン車で運搬作業中、ドライアイスから発生した二酸化炭素によって酸欠となり、作業者が死亡した。(不詳)
凍傷の対策とドライアイスの廃棄
最後に、ドライアイスによる事故で凍傷になった場合の対応を紹介します。
凍傷になったときは、患部を40~42℃の湯に浸して温めます。
患部はこすらず、水泡がある場合は潰さずにガーゼなどで保護して、医療機関を受診してください。
また、余ったドライアイスを、水などに入れて無理に溶かしたりしてはいけません。そのまま、風通しの良い場所に放置すれば消滅します。