「改葬」は年に9万件。多いのは「東京」、少ないのは「福井」
「改葬」はお墓の引っ越し
いったん埋葬されている遺骨を、別の墓地や納骨堂などへ移すことを「改葬」と言います。
例えば、「お墓参りが遠いので近くに移したい」「先祖のお墓をまとめたい」などの理由で、「改葬」が行なわれます。最近は、「墓じまい」と呼ぶ業者もいます。
たとえ、そのお墓を管理している場合でも、「改葬」を勝手に行なうことはできません。
「新しいお墓の管理者」、「古いお墓の管理者」、「古いお墓のある自治体」のそれぞれから証明書などを貰う必要があり、手間とお金のかかる作業です。
では、年間にどれぐらいの人が「改葬」を行なっているのでしょう。
厚労省の資料を基に調べてみました。
年に9万件の「改葬」が行なわれている
2017年8月現在で、改葬についての最新データは2015年度のものです。
2015年度の「改葬」は9万1,567件でした。
同じ年度の「火葬」および「埋葬(土葬)」の合計が134万6,276件でしたから、そのうち、6.8%が「改葬」によるものです。
なお、過去10年分のデータを見ると、改葬は増加しつつあります。
「改葬」が多い都道府県
過去10年間を通じて、改葬が一番多いのは「東京都」でした。
2015年も8,624件の「改葬」があり、全国の9.4%を占めています。
2番目は「北海道」、3番目は「鹿児島」です。
改葬の数は、人口の多さだけでは決まりません。人の移動が多いことや、その地域の墓地の状況なども影響しているようです。
逆に「改葬」が少ないのは、「福井」「徳島」「富山」「鳥取」などです。
この4県は、年に500件もありません。
こちらも、人口の少なさだけでは順位が決まっていません。人の移動が少ないことや、菩提寺とのつながりが深いことなども影響しているようです。
改葬には地域差が大きい
「改葬」は、2015年度には9万件を超えており、特別なことではないことが分かりました。
しかし、「改葬」は地域差が大きく、人口が多くても改葬が少ない地域もあれば、人口が少なくても改葬が多い地域もあります。
「改葬」は地域差が大きく、関わる人が多いだけに、思わぬトラブルを招くことがあります。
「改葬」を思い立ったら、まず菩提寺や年長の親類などに相談し、その地域の慣例や特色などを確認することから始めましょう。