1年前の2倍に増えたiDeCoの加入者。掛金は月1万円が最多
iDeCoをやってる人は約55万人
「iDeCo(イデコ)」と呼ばれる「個人型確定拠出年金制度」の加入者数などが公開されています。
iDeCoは、国による個人年金制度ですが、2017年1月に加入できる人の範囲が広がりました。現在は、20歳以上60歳未満であれば、ほぼすべての国民が利用できます。
特に、税金面で優遇されていることから、公的年金に上乗せするための有利な方法として注目されています。
2017年6月時点の加入者数は「549,943人」でした。
これは1年前の203.8%にあたります。つまり、この1年間で、iDeCoの加入者数は“2倍”に増えています。
加入者の8割は会社員と公務員
iDeCoの加入者は、大きく3つに分けられます。
- 第1号:自営業者
- 第2号:会社員、公務員
- 第3号:専業主婦
6月時点の内訳を見ると、第1号が17%、第2号が80%、第3号が2%でした。
全体の8割を、第2号の会社員と公務員が占めています。
第3号の2%は少なく見えますが、実は専業主婦は、2017年1月から加入できるようになったばかりです。「たった6カ月間で、全体の2%を占めるようになった」と言うべきでしょう。
企業年金のない会社員が7割以上
第2号について、もう少し詳しい内訳を見てみましょう。
第2号のうち、「会社員:企業年金無し」が72%、「会社員:企業年金有り」が9%、公務員などの「共済組合員」が19%です。
このうち、「会社員:企業年金有り」と「共済組合員」は、2017年1月から加入が可能になったばかりです。
こちらも、「たった6カ月間で3割弱を占めるようになった」と言うべきでしょう。
毎月の掛金は「平均1万6千円」
iDeCoの毎月の掛金は、平均で「16,844円」でした。
実際には「1万円~1万5千円未満」が一番多くなっています。
2番目が「2万円~2万5千円未満」で、3番目は「5千円~1万円未満」です。
iDeCoは、加入者の種類別に、毎月の掛金に上限が決まっています。
- 第1号:6万8千円
- 第2号(会社員:企業年金無し):2万3千円
- 第2号(会社員:企業年金有り):1万2千円または2万円
- 第2号(共済組合員):1万2千円
- 第3号:2万3千円
このため、第2号と第3号の加入者は、1万2千円~2万3千円の上限か、その手前で切りの良い「1万円」や「2万円」に掛金を設定している人が多いのです。
なお、企業年金のある会社員は、会社側の制度によって、上限が1万2千円と2万円に分かれます。加入の前に自社の制度を確認しておきましょう。
第1号の自営業者は、掛金の上限が「6万8千円」と大きいため、「5千円」や「1万円」の小口にしている人と、上限いっぱいに設定している人に分かれています。
iDeCoの掛金は、全額が控除の対象となります。個人事業主の場合、掛金を大きくすると節税策としても有効なので、思い切って上限いっぱいにしている人もいるのです。